「メッシやマラドーナのような本物の天才」ラミン・ヤマルのすごさの中身を風間八宏が深く解説
独自の技術論で、サッカー界に大きな影響を与えている風間八宏氏が、世界のサッカーシーンで飛躍している選手のプレーを分析。今回は今季バルセロナやスペイン代表で大活躍を見せた、ラミン・ヤマル。「メッシやマラドーナのような本物の天才」というそのすごさの中身は?
【本物の天才】
「まず、彼のプレーは人に教えられてできるレベルのものではないということ。いくら相手が止めようとしても、ほとんど自分の思いどおりにプレーできています。だからこそ、プレー自体に再現性がある。おそらく、同じようなゴールシーンを何度も見たというサッカーファンも多いのではないでしょうか。
そういう意味では、ディエゴ・マラドーナやリオネル・メッシのような、本物の天才ですね」
今季バルセロナで、スペイン代表で活躍したラミン・ヤマル photo by Mutsu Kawamori/MUTSUFOTOGRAFIAこの記事に関連する写真を見る 現在南葛SCで監督を務めながら、解説者としても活躍する風間八宏氏がそのように舌を巻く選手が、バルセロナのラミン・ヤマルだ。
バルセロナのカンテラ「ラ・マシア」で育ったヤマルは、シャビ・エルナンデス監督時代の2022-23シーズンにトップチームに引き上げられて15歳でデビューを飾ると、翌シーズンには主力メンバーの仲間入り。さらにスペイン代表にも定着し、ユーロ2024では自らゴールも決めて優勝にも貢献した。
現在17歳のヤマルは、これまで数々の最年少記録を更新してきただけでなく、その年齢とは無関係に、すでにひとりのワールドクラスとして世界中から高い評価を集めている。もちろん、バルセロナの二冠(ラ・リーガ、コパ・デル・レイ優勝)に大きく貢献した今シーズンも大活躍を見せ、バロンドール有力候補に挙がっている。
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著者プロフィール
風間八宏 (かざま・やひろ)
1961年10月16日生まれ。静岡県出身。清水市立商業(当時)、筑波大学と進み、ドイツで5シーズンプレーしたのち、帰国後はマツダSC(サンフレッチェ広島の前身)に入り、Jリーグでは1994年サントリーシリーズの優勝に中心選手として貢献した。引退後は桐蔭横浜大学、筑波大学、川崎フロンターレ、名古屋グランパスの監督を歴任。各チームで技術力にあふれたサッカーを展開する。現在は全国でサッカー選手、サッカーコーチを指導。2024シーズンより関東1部の南葛SCの監督兼テクニカルディレクターも務める。