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中村敬斗がドリブラーとして進化した一方、伊東純也は別人のような低パフォーマンス 2部降格組の夏はいかに? (3ページ目)

  • 中山 淳●取材・文 text by Nakayama Atsushi

【最後まで伊東頼みの采配が続いた】

 調子を落とし始めたのは、昨年11月のインタナショナルマッチウィーク以降のこと。おそらく、長距離移動や連戦による勤続疲労の影響だと思われる。

 だが、少なくとも過去2シーズンにわたって示し続けた存在感はなく、別人のようなパフォーマンスに終始した。あれだけ際立っていた華麗なボールタッチやキック精度を含め、本来の姿を取り戻せないまま、時間だけが経過してしまった印象だ。

 伊東にとって苦しかったのは、自身の不調と時を同じくして、チームが勝てなくなったことだろう。第21節から指揮を任されたサンバ・ディアワラ監督は、第26節のブレスト戦で伊東を休ませるべくベンチスタートにする決断を下した。しかし結局、その試合でも後半途中から伊東をピッチに送り出すなど、最後まで伊東頼みの采配が続いた。

「伊東がくしゃみをすれば、スタッド・ランスが風邪をひく」

 そんな表現がぴったりな、今シーズンのスタッド・ランスだったわけだ。

 自分の立場を理解しているはずの伊東としては、自身の出来が2部降格の要因になったのではないかと自責の念にかられているかもしれない。昇降格プレーオフ第2戦で見せた久しぶりのハイパフォーマンスからは、そんな責任感さえ見てとれた。

【来シーズン以降の課題は守備面】

 冬の新戦力として加入した関根は、予想以上に多くの出場機会を与えられたという点で、それなりの収穫を手にしたと言えるだろう。

 1月25日に行なわれた第19節パリ・サンジェルマン戦の後半アディショナルタイムにリーグ・アンの舞台にデビューすると、最終的にリーグ戦15試合(先発9試合)に出場し、出場時間は884分を記録。当初は4バックの右SBとして、ディアワラ監督が基本布陣を5バックに変更してからは右WBや3バックの右でプレーした。

 初めてヨーロッパでプレーしたという背景を考えても、適応は早かった。とりわけ頻繁に見せた攻撃参加では、右サイドをオーバーラップするだけでなく、敵陣では中央にポジションを移してチームの攻撃に幅を持たせることもあった。

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