伊東純也が珍しく不調に苦しんでいる 4カ月勝ち星なしのスタッド・ランスがスタメンから外した理由 (2ページ目)
【降格覚悟の賭けに出た?】
とはいえ客観的に見れば、それが残り8試合で勝ち点を積み上げられそうな戦い方ではなかったことも事実。数回のカウンターだけではゴールは遠く、少なくとも現在残留争いのライバルとなっているサンテティエンヌやル・アーヴルと比べても、勝利する可能性が低い戦い方だと言わざるを得ない。
もっとも、アシスタントコーチ専門でキャリアを重ね、まだ監督ライセンスも持たないディアワラ監督に多くを望むのは酷なのかもしれない。昨季の終盤に暫定監督として3試合だけ指揮を執った経験はあるが、正式な監督として采配を振るうのは今回が初めてのこと。大不振にあえぐチームをシーズン途中に立て直すには、あまりにも経験がなさすぎる。
ただ、外部から新監督を招聘するよりも、ライセンス未取得者のディアワラ監督が指揮を執ることで毎試合25000ユーロの罰金を支払うほうが、はるかに財政的負担が少ないと判断したクラブの懐事情も理解できる。
実際、冬の移籍市場でもDFラインの要エマニュエル・アグバドゥと中盤の大黒柱マーシャル・ムネツィをウルヴァーハンプトン(イングランド)に放出。高額な移籍金と引き換えに、成績をV字回復させるために絶対に欠かせない戦力を手放さなければならなかった。
もちろん、その売却益でMFモリー・グバネ、MFジョン・パトリック、DF関根ら数人の新戦力も獲得したが、投資金額は移籍金収入の約3分の1程度。その補強からは、ジャン=ピーエル・カイヨ会長が目の前のチーム不振よりもクラブの経営安定化を重視したことが見てとれる。ある意味、リーグ・ドゥ降格覚悟の賭けに出たとも言える。
そんななか、現在チームが抱える不安材料のひとつとなっているのが、攻撃陣の絶対的存在である伊東が、チーム成績とリンクするように珍しく不調に陥っていることだ。
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