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伊東純也が珍しく不調に苦しんでいる 4カ月勝ち星なしのスタッド・ランスがスタメンから外した理由 (3ページ目)

  • 中山 淳●取材・文 text by Nakayama Atsushi

【南野拓実は休養をもらって復活】

 加入3年目の伊東は、今季も開幕から主軸としてプレーし、第25節までは不動のGKイェヴァン・ディウフとともにリーグ戦全試合に先発。出場時間も第25節オセール戦終了時点で2,187分とフィールドプレーヤーではトップを記録し、これまで4ゴール4アシストをマーク。監督が代わっても、あいかわらず欠かせない戦力だ。

 ただ、今年1月11日のニース戦(第17節)を最後にゴールから遠ざかり、アシストに関しては昨年10月26日のブレスト戦(第9節)以来、記録できていない。その数字に象徴されるように、シーズンの半ばあたりから明らかにパフォーマンスが落ちているのが実情だ。

 そんな伊東を見かねて、さすがにディアワラ監督も今回のブレスト戦では伊東のベンチスタートを決断。「疲れているように見えたので、たぶん今の彼には先発しないことが必要だった」とは、試合後のディアワラ監督のコメントだ。

 たしかに昨年11月10日のル・アーヴル戦(第11節)を最後に4カ月も勝利から遠ざかるなか、伊東だけは休ませられないチーム事情があり、結局この試合でも指揮官は後半64分から伊東の投入に踏みきっている。伊東にとっての途中出場は、開幕前のケガで出遅れた加入初年度の2022-23シーズン第2節のクレルモン戦以来のことだった。

 伊東と同じように、開幕からフル稼働していたモナコの南野拓実が昨年秋口からパフォーマンスを低下させたことがあった。だが、アディ・ヒュッター監督が適度に休みを与えたことで、年明け以降に回復。現在ではゴールを量産するまでにパフォーマンスが戻った例がある。

 それを考えると、本来は伊東にもローテーションでの起用が必要なのは明らかだ。しかし、スタッド・ランスが置かれた状況と選手層を考えると、それもできないというのが実際のところ。チームにとっても伊東にとっても、これは極めて悩ましい問題だ。

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