久保建英に「試合巧者」の洗礼 ソシエダ、ヨーロッパリーグ首位のラツィオに苦杯 (3ページ目)
「タケはスピード、技術、ビジョンがミックスしたプレーヤーで、たったひとつのフェイントでプレーを変化させられる。そこは、チキ(アイトール・ベギリスタイン、元スペイン代表/レアル・ソシエダ、バルセロナ、浦和レッズなどでプレー)と似ている。チキは非常にクレバーな選手で、テンポを生み出しながらサイドを支配できた。ラ・レアルで活躍した後、移籍先のバルセロナでさらに才能を開花させたように、攻撃重視の布陣においてアドバンテージが最大限に生かされていた。そのキャラクターにタケは一番近い」
あらためて、イタリアのチームが久保には最適の場所ではないことがわかったとも言えるだろう。
もっとも久保は、欧州の舞台においてラツィオのような相手にも鉄槌を下せるようにならないと、ビッグクラブでの活躍は望めない。ELリーグフェーズは残り1試合、ギリシャのPAOKサロニカ戦後に、ノックアウトフェーズ(9位から24位のチームがラウンド・オブ16進出を懸けて戦う。ラ・レアルは現在18位)に進むことが決まる。覇権を争う好機であり、ここから真価が問われる。
次戦は中2日、久保はラ・リーガで古巣であるヘタフェとの対戦である。
著者プロフィール
小宮良之 (こみやよしゆき)
スポーツライター。1972年生まれ、横浜出身。大学卒業後にバルセロナに渡り、スポーツライターに。語学力を駆使して五輪、W杯を現地取材後、06年に帰国。著書は20冊以上で『導かれし者』(角川文庫)、『アンチ・ドロップアウト』(集英社)など。『ラストシュート 絆を忘れない』(角川文庫)で小説家デビューし、2020年12月には『氷上のフェニックス』(角川文庫)を刊行。パリ五輪ではバレーボールを中心に取材。
フォトギャラリーを見る
3 / 3