伊東純也と中村敬斗のピンポイントクロスはフランスでも指折りレベル 前半戦のベストプレーは? (4ページ目)
【両翼に欠かせない日本代表コンビ】
加えて、シュート以外のプレーでも進化を続けている点も見逃せない。
中村が左サイドでプレーする場合、カットインプレーが得意技とされてきた。だが、昨シーズンの後半戦から披露するようになった縦突破からの左足クロスの回数が増えた。
縦に行くと見せかけてから切り返し、タイミングを図ってから供給する右足クロスというバリエーションも加わった。これにより、対峙する相手DFは複数のプレーを警戒しなければならなくなり、得意のカットインプレーの効果もより大きなものになっている。
とはいえ、5試合連続ゴール後はペースダウン。第11節(ル・アーヴル戦)に6ゴール目を記録したところで打ち止め状態が続いている点については、本人も不甲斐なさを感じているかもしれない。とりわけ、第15節のモナコ戦の決定機逸は痛恨だった。
ただ、その主な要因はチームの調子が下降していることにあり、全体的に見れば中村のシーズン前半戦のパフォーマンスは申し分のないものだった。
いずれにしても、スタッド・ランスが後半戦に巻き返せるかどうかは、両翼を担う伊東と中村の日本代表コンビの活躍にかかっていることは間違いなさそうだ。
著者プロフィール
中山 淳 (なかやま・あつし)
1970年生まれ、山梨県出身。月刊「ワールドサッカーグラフィック」誌編集部勤務、同誌編集長を経て独立。スポーツ関連の出版物やデジタルコンテンツの企画制作を行なうほか、サッカーおよびスポーツメディアに執筆。サッカー中継の解説、サッカー関連番組にも出演する。近著『Jリーグを使ってみませんか? 地域に笑顔を増やす驚きの活動例』(ベースボール・マガジン社)
【図】伊東純也と中村敬斗が所属するスタッド・ランスのフォーメーション
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