冨安健洋、遠藤航、鎌田大地は移籍する? クラブを取り巻く環境から最新事情を読み解く (4ページ目)

  • 粕谷秀樹●取材・文 text by Kasuya Hideki

【欧州の移籍市場は摩訶不思議】

 10節のブライトン戦は77分から、11節のアストン・ヴィラ戦は87分から出場。献身的、かつ圧の高いプレーで最終ラインを完全にプロテクトした。プレータイムこそ短いものの、スロットが遠藤に託した新しいタスクは、勝利を確実にする"クローザー"だった。

 今シーズンのリバプールはプレミアリーグ、チャンピオンズリーグ、FAカップ、カラバオカップの四冠がまだ視野に入っている。全ポジションのローテーション活用が勝負のカギを握り、遠藤は試合を畳むための切り札として、再び脚光を浴びはじめた。同じ日本人として痛快じゃないか!

 移籍市場は魑魅魍魎(ちみもうりょう)が跋扈(ばっこ)する摩訶不思議な世界である。おとぎ話が実現する可能性も捨てきれはしない。ただ、監督・同僚に信頼されている冨安と遠藤が、おとぎ話の主人公を演じる確率はゼロに等しい。

著者プロフィール

  • 粕谷秀樹

    粕谷秀樹 (かすや・ひでき)

    1958年、東京・下北沢生まれ。出版社勤務を経て、2001年、フリーランスに転身。プレミアリーグ、チャンピオンズリーグ、海外サッカー情報番組のコメンテイターを務めるとともに、コラム、エッセイも執筆。著書に『プレミアリーグ観戦レシピ』(東邦出版)、責任編集では「サッカーのある街」(ベースボールマガジン社)など多数。

冨安、遠藤、鎌田のポジションの最適解は?2024-25シーズン欧州サッカー注目クラブのフォーメーション

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