冨安健洋、遠藤航、鎌田大地は移籍する? クラブを取り巻く環境から最新事情を読み解く (2ページ目)
【冨安が放出される唯一の気がかり】
冨安健洋はケガに苦しんでいる。今シーズンのプレータイムはわずか6分。右ひざ、右ハムストリングの状態は思わしくない。
彼が所属するアーセナルは、11月23日のノッティンガム・フォレスト戦から来年1月5〜6日に予定されているFAカップ(対戦相手未定)まで、3〜4日に1試合の過密日程が続く。
当然、ひとりでも多くの戦力が必要だ。187cm・84kgと体躯に恵まれた冨安は空中戦に強い。対人動作にすぐれ、左右両足で精度の高いフィードを駆使するハイスペックなDFだ。なおかつ、最終ラインすべてに適応する高度な戦術眼まで装備している。20年ぶりのリーグタイトル奪還を目指すアーセナルにとって、日本代表が誇るワールドクラスのDFは極めて貴重なピースだ。
したがって、「度重なる負傷はマイナス材料」「チーム内の序列が低下した」などと悲観的な情報が拡散していても、冨安の立場が揺らいでいるとは考えにくい。
なぜなら、すべての情報が信憑性に乏しく、推測の域を出ないからだ。イタリアのスポーツ紙『カゼッタ・デッロ・スポルト』が報じた「インテルが冨安に興味津々」も、膨大な紙面を埋める"おとぎ話"にすぎない。
しかも、ミケル・アルテタ監督とキャプテンのマルティン・ウーデゴールが「トミ(冨安の愛称)は必要不可欠」と公式サイトで語り、DFリーダーのウィリアン・サリバ、ベン・ホワイトといった主力が「性格も穏やかで付き合いやすく、何事に対しても万全の準備を怠らない」と証言したように、冨安はアーセナルで大きな信頼を勝ち取っている。
最終ラインならどこでもこなす汎用性、サッカーに取りくむ真摯な姿勢は、リスペクトすらされている。それほどの実力者を来年1月の移籍市場で手放す確率は極めて低い、と考えるのが妥当だ。
唯一の気がかりは、アルテタとともに人事を掌握していたエドゥ(スポーツディレクター)の辞任である。後任が冨安のコンディションに大きすぎる不安を抱いた場合にかぎり、放出要員にリストアップされるリスクが浮上する。
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