冨安健洋、遠藤航、鎌田大地は移籍する? クラブを取り巻く環境から最新事情を読み解く (3ページ目)
【現場の声は「遠藤絶対死守」で一致】
開幕前から、遠藤航の周囲はかまびすしかった。
リバプールの新監督に就任したアルネ・スロット監督がより攻撃的なタレントを求め、中盤の一角にライアン・フラーフェンベルフを起用。ユルゲン・クロップ体制ではレギュラーだった遠藤が、控えに降格した。
突然、不要論が湧きあがる。リバプールOBのジェイミー・キャラガーが「間違いなく夏の市場で放出される」と断言し、彼は依然として「構想外」と語り続けている。今夏にスロットがマルティン・スビメンディ(レアル・ソシエダ)獲得に動いていた事実も、遠藤放出の噂に拍車をかけた。しかし......。
「ワタ(遠藤の愛称)の重要性がわかっていない」(フィルジル・ファン・ダイク)
「ワタが絶対に必要だってことは、選手がいちばん理解している」(アレクシス・マック・アリスター)
「ワタが放出されるって? ばかげた噂だ」(モハメド・サラー)
現場の声は"遠藤絶対死守"で一致していた。
そもそも遠藤不要論は、キャラガーをはじめとする一部メディアの憶測に端を発している。リバプールOBでありながらチーム内の情報にうとく、失言を繰り返す男に配信系のメディアが乗っただけだ。移籍市場に詳しいジャーナリストから「遠藤放出」の一報は聞こえてこない。
また、スロットがフェイエノールトを率いていた当時に上田綺世を冷遇したため、「日本人を理解していない」というネガティブな憶測に基づく報道もあった。「次の犠牲者は遠藤か!?」は飛躍しすぎであり、プレータイムの激減を移籍に結びつける発想は、あまりにも強引だった。
かつて、長谷部誠はヴォルフスブルク、フランクフルトで戦力外と言われながら、実力で定位置を奪い取った。遠藤本人も「スタメンも控えも関係ありません。与えられた仕事をこなすだけです」と決意を新たにしている。そしてスロットは、日本代表キャプテンの実力をあらためて認めたようだ。
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