三笘薫、キャリアハイと思わせるプレーでトッテナムを翻弄 逆転勝利の立役者に (2ページ目)
【両軍のなかで最も輝いていた】
だが、結果を言ってしまえば、ブライトンはここから3連続ゴールを挙げ、逆転勝利を収めた。三笘はその最大の立役者と言っても過言ではない活躍だった。採点するならば10点満点で7.5。マン・オブ・ザ・マッチ級である。この日、両軍のなかで最も輝いていた選手と言いきれる、今季一番の活躍だった。
後半3分、後半から交代で入った左SBペルビス・エストゥピニャン(エクアドル代表)の縦パスを、ペドロ・ポロのマークをかい潜るように受けた三笘は、左足で直ちに折り返した。相手がクリアし損ねたボールをミンテが決め、スコアを2-1とする。
その10分後の後半13分に生まれた2-2とする同点弾にも、三笘は深く関与した。CBルイス・ダンク(元イングランド代表)が高めで構えたエストゥピニャンにボールを送ると、三笘は大外から内にポジションを移動。エストゥピニャンから中央でボールを受けるや、右前方を走る1トップ下、ルターに向けて方向転換。スルーパスを送り、ゴールをアシストした。
後半11分、後半15分にはたて続けにゴール正面に切り込みシュートも放っている。後半11分のシーンは相手のパスを自らプレッシングでカット。ひとり舞台だった。
攻めてよし、守ってよし。左サイドで受けてよし、真ん中で受けてもよし。何よりプレーの幅が大きく広がった。また俊敏でステップワークもいい。このスピード感溢れる牛若丸的な身軽な動きでヒラヒラと相手をかわすステップワークに、スパーズは翻弄されるばかりだった。左SBエストゥピニャンとのコンビネーションも文句なし。加えて頭脳明晰だ。自己中心的なオレオレ系ではまったくない。三笘がいるとチームプレーは円滑になる。アタッカーでありながらフルタイム出場を果たす理由である。
現在の日本代表で一番の出世頭と言えば、遠藤航(リバプール)、冨安健洋(アーセナル)を思い浮かべるが、ボールを操作する力で言えば、三笘が断トツのナンバーワンだ。中田英寿、小野伸二、本田圭佑らをも超えている。ワールドクラスと言いたくなる。
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