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浦和レッズSB・荻原拓也のクロアチア奮闘記「足はボロボロ。ピッチはデコボコ。シャワーも浴びられない」 (2ページ目)

  • 原田大輔●取材・文 text by Harada Daisuke

【これは一度しかないチャンスだと決断】

「浦和レッズでプロになれた2018年の時から、いつかは(海外で)と思っていました。1年目はプロの環境に慣れ、2年目でコンスタントに試合に出られるようになれば、3年目で(海外に)挑戦できるのではないかって。

 でも、実際は2年目も出場機会を得られず、これはかなり迂回しなければ、海外に挑戦することはできないと、考えをあらためました。成熟できていない自分は(海外に挑戦できる)その立場にない。これは相当、努力しなければならないぞって」

 2020年夏にはアルビレックス新潟に期限付き移籍し、翌2021年から2年間は京都サンガにも武者修行に出た。「迂回」と表現したその日々が「自分の成長のためにも大切だった」と感謝する。

「浦和レッズに復帰した昨季、出場試合数だけでいったら上から数えたほうが多かったけど、何かをチームに残せたかと言えば、決してそうじゃなかった。

 浦和レッズのファン・サポーターは『もっとやれる』と思っていただろうし、僕もそうした自己評価でしたけど、それでも監督やスタッフ、チームメイトが『成長した』と言ってくれたことが、自信につながりました。ディナモ・ザグレブも即戦力として期待してくれていたし、これは一度しかないチャンスだと、自信を持って決断できました」

 ただし、激動だった2023年を戦い終えた荻原の足は、ボロボロだった。クロアチアのリーグ再開を前にしたキャンプでは、トレーニングに参加できないほどの状態だった。

「少しだけケガが回復してきたタイミングで、練習試合があったのですが、そこで急遽プレーしてくれと言われて。大雨でグラウンドもぬかるんでいたので怖かったですけど、出てくれと言われたし、大事なタイミングだと思って、無理をしてプレーしたんです。

 自分の身体のことは自分が一番わかっているから、本来はストップをかけなきゃいけないんでしょうけど、加入した最初のタイミングだし、アピールしなければならないと思って。それもあってプレーしたら、足どころか全身がバキバキになって、リーグ再開後の試合にはメンバー入りしたものの出られませんでした」

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