39歳のC・ロナウドはまだ欧州で通用するのか 苛立ちは隠せず、3度はあった決定機をかつてなら... (2ページ目)

  • 了戒美子●取材・文 text by Ryokai Yoshiko

【孤立するロナウド。退いたあとのほうが...】

 ミスからの失点に、ポルトガルは明らかに意気消沈した。すでに首位突破を決めているからか、大幅なメンバー変更が仇(あだ)となったか、いまひとつテンションが上がらない。

 GKコスタとともに3試合連続で先発したクリスティアーノ・ロナウドも苛立ちを隠せなかった。結果的に、この日のロナウドはこれといったパフォーマンスを見せることはできなかった。無得点に終わり、主要大会の1次リーグでは11大会目にして初めてノーゴールに終わっている。

 ポルトガルにとっての最初のチャンスは、ロナウドのフリーキックだった。17分、ゴール正面からの強烈なキックを見せた。だが、GKギオルギ・ママルダシュヴィリのセーブにあってしまう。

 28分には、左CKからチコ・コンセイソンのシュートにつながったシーンで、ロナウドはシャツが引っ張られたことをいつまでもアピールし続け、それによってイエローカードをもらう。35分には、左サイドからの攻撃でジョアン・パリーニャのパスをボックス内で受け、左足でシュートを放つも至近距離のディフェンダーに防がれた。

 後半もチャンスはあった。47分、左CKからファーサイドのロナウドのもとへこぼれ球がくるも、左足シュートはまたもディフェンダーにあたって枠の上へ。それ以降、ロナウドに大きな見せ場は訪れることなく、66分でピッチを退いた。途中交代は今大会3試合目で初めてのこと。退く際にはペットボトルを蹴り上げ、苛立ちを露わにした。

 皮肉なことに、ロナウドが退いたあとのほうが、ポルトガルの前線には動きが見られた。ロナウドが出場している時間帯は、とにかく彼が中央でパスを待ち受けるため、両サイドからのクロス一辺倒となるからだ。

 ただ、3バックのジョージアの両サイドの裏をついてクロスを上げるも、クロスに飛び込む枚数が少なく、ロナウドは孤立。クロスを上げてくることも容易にわかるので、ロナウドが相手ディフェンダーにひっかかるケースは何度も見られた。ロナウドが苛立ちを見せたのも、致し方ないだろう。

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