39歳のC・ロナウドはまだ欧州で通用するのか 苛立ちは隠せず、3度はあった決定機をかつてなら...

  • 了戒美子●取材・文 text by Ryokai Yoshiko

 ドイツで開催されているユーロ2024は、早くもグループステージが終了した。

 今大会は試合チケットを持っていればローカル線が36時間限定で無料になり、新幹線に相当する長距離列車も格安で購入することができる。というわけで、スタジアムのある街や鉄道駅は常に大混雑の大賑わい。老若男女がそれぞれの我が国を応援すべく、日々盛り上がっている。

C・ロナウドは今大会まだ1アシストのみ photo by AFLOC・ロナウドは今大会まだ1アシストのみ photo by AFLOこの記事に関連する写真を見る グループFのジョージア対ポルトガルでは、スタジアムに向かうトラムや大会用の臨時増発列車で見たサポーターたちの出立(いでたち)が特徴的だった。ジョージアを応援する人たちはユニフォームを着ているとは限らず、大きな旗を体に巻きつけたり、番号の入っていないユニフォームを着ていたり、帽子をかぶっていたりとさまざま。一方、ポルトガルを応援する者はほとんど、クリスティアーノ・ロナウドの「7番」がプリントされたユニフォームを着ていた。

 どちらかといえば、ジョージアを応援する観客のほうが盛り上がっていただろうか。トラムや列車のなかでスタジアム内のようなコールを繰り広げ、大声で歌ったりしていた。

 そんなふうに場外で盛り上がるのを微笑ましく見てしまうのは、ジョージアが今大会唯一のユーロ初参加国だから。しかもポルトガル、トルコ、チェコが対戦相手のF組で、ジョージアはグループステージ第2戦を終えた時点で勝ち点1の最下位。第3戦ポルトガル戦で敗れれば大会を去らねばならない状況で、観戦する側にとっても貴重な1試合となったわけだ。

 ところが試合は、前半2分にジョージアが先制する。ポルトガルは前の試合から先発メンバーを8人も入れ替えて臨んだが、それが裏目に出たか。

 ポルトガルは3バックのアントニオ・シウヴァの横パスが味方に届かず、パスを受けた形のジョルジュ・ミカウターゼがピッチ中央から一気に縦パスを前線に送る。これに追いついたクヴィチャ・クヴァラツヘリアが一気にペナルティエリアへと侵入し、前に出たGKディオゴ・コスタをあざ笑うかのように、左足でゴール右隅に沈めた。

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著者プロフィール

  • 了戒美子

    了戒美子 (りょうかい・よしこ)

    1975年生まれ、埼玉県出身。2001年サッカー取材を開始し、サッカーW杯は南アフリカ大会から、夏季五輪は北京大会から現地取材。現在はドイツを拠点に、日本人選手を中心に欧州サッカーを取材中。著書『内田篤人 悲痛と希望の3144日』(講談社)。

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