ユーロ2024のベルギーに圧倒的存在感のウイング 誰もジェレミー・ドクを止められない (4ページ目)

  • 杉山茂樹●文 text by Sugiyama Shigeki

 もっとも、ベルギーが世界に誇る看板選手といえば、ティボー・クルトワ(レアル・マドリード)が離脱しているいま、デ・ブライネになる。スロバキア戦ではいまひとつ元気がなく、敗因のひとつと言ってよかったが、ルーマニア戦では尻上がりに本来のプレーを披露した。得点にも絡んだ。ベルギー浮沈のカギを握る選手であることは間違いない。

 優勝候補と呼ぶにはスケール不足。だが、優勝候補を倒す力は秘めている――。

 初戦に敗れたことで自らの立ち位置を理解したのではないか。フランス、ドイツ、イングランド、スペイン、ポルトガルにとってはいやな存在だろう。繰り返すが、世界広しといえど、いまのドクを止められるSBはいないのである。もちろん、ウクライナ戦で一番の注目選手になる。

プロフィール

  • 杉山茂樹

    杉山茂樹 (すぎやましげき)

    スポーツライター。静岡県出身。得意分野はサッカーでW杯取材は2022年カタール大会で11回連続。五輪も夏冬併せ9度取材。著書に『ドーハ以後』(文藝春秋)、『4-2-3-1』『バルサ対マンU』(光文社)、『3-4-3』(集英社)、『日本サッカー偏差値52』(じっぴコンパクト新書)、『「負け」に向き合う勇気』(星海社新書)、『監督図鑑』(廣済堂出版)、『36.4%のゴールはサイドから生まれる』(実業之日本社)など多数。

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