オナイウ阿道がフランス2部で15得点の大爆発 脂の乗りきった28歳に代表復帰も見えてきた (2ページ目)

  • 中山淳●取材・文 text by Nakayama Atsushi

【最終節で今季2度目のハットトリック達成】

 そしてオナイウが、チーム内で存在感を発揮するきっかけとなったのが、昇格のライバルでもある名門サンテティエンヌとの直接対決(第14節/11月11日)だった。

 この試合でも左ウイングで先発したオナイウは、開始早々の3分にペランのクロスをヘッドで合わせて貴重な先制点をマークすると、36分に右SBポール・ジョリーのクロスを右足で叩き込み、66分にも再びペランのクロスを右足でフィニッシュ。

 クロスボールに対して点で合わせるという、自身が得意とするダイレクトシュートでハットトリックを記録し、ホームでの勝利(5−2)に大きく貢献したのである。

 ライバル相手の完勝劇に、本拠地スタッド・ドゥ・ラベ・デシャンのスタンドを埋め尽くしたサポーターも大熱狂。指揮官やチームメイトはもちろん、オナイウがオセールの人々に認められた重要な夜となった。

 この勝利で勢いに乗ったオセールは、以降、5連勝を含む14戦負けなしの快進撃を続けて、首位攻防直接対決となったアンジェ戦(第24節/2月10日)で勝利してからはリーグ首位をキープ。そのまま昇格と優勝を勝ち獲ることとなった。

 ペリシエ監督が印象的な試合だったと振り返ったのは、第36節のホームでのパリFC戦。勝てばほぼリーグ・アン昇格を手中に収めることができるという大事な試合でも、オナイウは57分にジョリーのお膳立てしたクロスをスライディングしながら左足で押し込んで、ダメ押しゴール。またしても重要な試合で結果(2-0)を出すことに成功した。

 圧巻は、優勝と昇格を決めたあとの最終節・コンカルノー戦だ。祝福ムードで包まれたスタッド・ドゥ・ラベ・デシャンでオナイウが爆発。40分、ジョリーのクロスを今シーズン自身6点目となるヘディングによるゴールを決めると、63分、80分とゴールを重ねて2度目のハットトリックを達成したのだ。

 特に3点目のゴールは、ホットラインを形成するジョリーのクロスを絶妙な右足トラップで収めると、そのままハーフボレーで右足一閃。まさに"ゴラッソ"と呼ぶにふさわしい一発を決め、シーズンを締めくくることに成功した。

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