オナイウ阿道がフランス2部で15得点の大爆発 脂の乗りきった28歳に代表復帰も見えてきた
「(今シーズンは)攻撃陣が多くのゴールを決めてくれたね。我々には20ゴールを記録するようなアタッカーはいないが、ふたケタやそれに近いゴール数を量産してくれた多くの選手がいた。
オナイウ阿道、ガウティエ・アイン、フロリアン・アイェ、ラシン・シナヨコ、ガエタン・ペラン......。これこそが我々のチームがコレクティブであることを証明するもので、私にとってはとても重要なことだったんだ!」
リーグ最終節を終えて満足気にそう振り返ったのは、フランスのリーグ・ドゥ(2部)で優勝を果たし、1年でリーグ・アン復帰を決めたオセールのクリストフ・ペリシエ監督だ。
オナイウ阿道のオセール移籍は大成功だった photo by Getty Imagesこの記事に関連する写真を見る その言葉のとおり、今シーズンのオセール最大の強みは、リーグ最高となる72ゴールを量産した破壊的な攻撃力にあった。
そのなかでオナイウは、チーム最多の15ゴールを量産してリーグ・アン昇格に大きく貢献(アイン=11ゴール、アイェ=10ゴール、シナヨコ=8ゴール、ペラン=7ゴール)。とりわけシーズン後半戦の爆発ぶりは、目を見張るものがあった。
フランス移籍後3年目で転機を迎えたオナイウにとって、2年間プレーしたトゥールーズを離れてオセールに新天地を求めたのは、結果的に大正解だったと言える。
前回リーグ・ドゥでプレーしたトゥールーズ加入初年度(2021-22シーズン)のゴール数は10。昨シーズンはリーグ・アンで2ゴールしか決められずに屈辱を味わったが、今シーズンはリーグ・ドゥでのゴール数を前回よりも大きく上回ったことによって、その苦い経験が決して無駄ではなかったことを証明した格好だ。
もちろん、加入直後から順風満帆だったわけではない。
移籍が決まったのは、8月28日という移籍期限間近のこと。そのため、すでにチームは開幕から4試合を戦っており、チームにフィットするまでにはそれなりの時間を要したことも確かだった。
ただ、基本布陣の4−2−3−1の左ウイングとして初めてスタメンを飾った第6節のポーFC戦で、試合終盤に値千金の同点弾をヘッドで決めると、第10節のパリFC戦ではGKの弾いたボールに詰めて、自身2ゴール目をマークした。
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著者プロフィール
中山 淳 (なかやま・あつし)
1970年生まれ、山梨県出身。月刊「ワールドサッカーグラフィック」誌編集部勤務、同誌編集長を経て独立。スポーツ関連の出版物やデジタルコンテンツの企画制作を行なうほか、サッカーおよびスポーツメディアに執筆。サッカー中継の解説、サッカー関連番組にも出演する。近著『Jリーグを使ってみませんか? 地域に笑顔を増やす驚きの活動例』(ベースボール・マガジン社)