レアル・マドリード番記者が久保建英について言及「来季レアルでプレーする可能性は極めて低い」 (3ページ目)
【世界最高峰の選手と認めさせるには】
今季、久保はラ・リーガ最初の8試合で5ゴール1アシストと非常に力強いスタートをきり、得点ランキングの上位に名前が上がったのは驚きとなった。さらに9月には月間MVPにも選出されている。
しかし、徐々に調子を落としていったのは明らかだ。アジアカップからの復帰後に出場したラ・リーガ8試合でわずか1ゴールとパフォーマンスが低下。それを言い訳にすることはできないが、FIFAはもっと論理的なカレンダーを作る努力をしなければならない。シーズン途中に代表活動のために所属クラブを離れ、チームメイトや習慣、気候、フィジカルコーチを変え、その後、何事もなかったかのようにシーズンの重要な時期にチームへ復帰するのは、どんな選手であっても簡単なことではない。
調子を崩したと言っても、イマノル監督にとって久保は議論の余地のない選手であることに変わりはない。その証拠にレアル・ソシエダで右サイドの主として君臨し、ラ・リーガではアジアカップで参加できなかった4試合を除き、出番がなかったのはわずか3試合だけだ。
また、幸いにも大きなケガを負っていない。3月のアラベス戦でハムストリングに違和感を覚え、ハーフタイム前に交代を余儀なくされたものの、その後欠場することなく、アルメリア戦とヘタフェ戦では途中出場していた。
CLでも、久保のパフォーマンスに大きな違いはなかった。8試合中7試合に先発出場し、プレー内容は悪くなかった。しかし、ゴール、アシストともになく、唯一誇れるのはアウェーのレッドブル・ザルツブルク戦でブライス・メンデスのゴールをお膳立てしたのみ。注目を集めたパリ・サンジェルマンとの2試合にフル出場したものの、大きなインパクトを残せなかった。
CLで成功を収めるのは難しい。そのため、久保が世界最高峰の選手であることを皆に認めさせるためには、もっとこの大会で実績を残す必要がある。そこで、誰もが納得する活躍を見せられれば、自ずと道は開けるだろう。
(髙橋智行●翻訳 translation by Takahashi Tomoyuki)
著者プロフィール
高橋智行 (たかはし・ともゆき)
茨城県出身。大学卒業後、映像関連の仕事を経て2006年にスペインへ渡り、サッカーに関する記事執筆や翻訳、スポーツ紙通信員など、リーガ・エスパニョーラを中心としたメディアの仕事に携わっている。
【画像】久保建英のレアル・ソシエダほか 欧州サッカー注目クラブ最新フォーメーション
3 / 3