久保建英の移籍話も再燃か レアル・ソシエダの不振に地元スペイン人記者「主力全員を来季チームに留めるのは至難の業」 (2ページ目)

  • ウナイ・バルベルデ・リコン●取材・文 text by Unai Valverde Ricón

【久保のベストパートナー不在】

 CLグループリーグにおいて、ラ・レアルのベストプレーヤーはアンデル・バレネチェアとブライス・メンデスだった。そしてチーム最大の武器は、キャプテンのミケル・オヤルサバルが指揮する、特にアノエタ(※レアレ・アレーナの正式名称)での前線からのハイプレス。さらに久保の違いを生み出す力も大きな武器となっていた。

 しかし、ベンフィカ戦でのハイパフォーマンス以降、ラ・レアルの指揮官、イマノル・アルグアシルは久保、バレネチェア、オヤルサバルのトリデンテ(三又の矛:3トップの意味)を一度も先発起用できていない。

 ブライス・メンデスは昨季、後半戦に入ると調子を落とし始めていたが、今季はそのタイミングがより早かった。オヤルサバルはパリ・サンジェルマンとの第1戦を負傷欠場し、第2戦もヒザに問題を抱えたまま全力でプレーした。

 ラ・レアルは今季最初の数カ月間、久保、ブライス・メンデス、そしてサイドを駆け上がるアマリ・トラオレの右サイドのトライアングルによって、多くの攻撃を生み出してきた。しかし、ブライス・メンデスが失速し、トラオレはラ・レアルの選手として、パリ・サンジェルマンとの2試合が最低のパフォーマンスになり、このトライアングルは全く機能せず、散り散りになっていた。

 このような理由が重なり、パリ・サンジェルマンとの第2戦で久保は、今季好調のバレネチェアがケガ明けでベンチスタートになったなか、試合の流れを変える責任を負わなければならなかった。しかも、ベストパートナーだったふたりが調子を崩し、久保のために壁パスやスペースを作る働きができない状態のなか、その仕事を遂行する必要があったのだ。もちろん久保はすばらしい選手ではあるが、まだ奇跡を起こすほどの力はない。

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