低迷バルサ シャビ監督解任論も出るなか18歳のブラジル代表FWは救世主になれるか (2ページ目)
【ブラジル人アタッカー待望の理由】
シャビの名声は地に堕ち、今や解任論も出ている。
今シーズンは有力選手を数多くそろえたが、皮肉にもチームの仕組みが機能しなくなった。個人プレーが目立ち、お互いを生かし合うプレーが激減。味方のために走る選手がいないし、味方のために背後をカバーする意識も低くなった。それが王者の歯車を狂わせた。
新加入のヴィトール・ロッキはバルセロナの救世主になれるかphoto by Alex Caparros/Getty Imagesこの記事に関連する写真を見る そんななかで、救世主として指名されたのが、ブラジル代表の18歳FWヴィトール・ロッキだ。ブラジル国内ではロナウド二世とも言われ、速く、強く、うまく、スモールスペースでの細かい技術をゴールに結びつけられる。バルサは今年7月に完全移籍で獲得したことを発表。本来は2024-25シーズンからの合流予定だったが、ガビがケガで離脱したためサラリーキャップに空きが出て、2024年1月からの登録が可能になった。
ロッキを待望する理由がある。
<バルサは自由でスペクタクルを求めるサッカーで、ブラジル人選手は肌が合う>
そんな定説があるが、相応の根拠はある。ロマーリオ、ロナウド、リバウド、ロナウジーニョ、ネイマール。多くのブラジル人アタッカーが、バルサで歴史を刻んでいる。
バルサ中興の祖と言えるヨハン・クライフ監督が、ドリームチーム時代に"ラストピース"にしたのはロマーリオだった。ロマーリオは得点王に輝き、リーガ4連覇に貢献、超攻撃的サッカーを完結させた。ボビー・ロブソン監督は「ロナウドが戦術」と開き直り、カップウィナーズカップ優勝。ロナウドはラ・リーガでゴールを量産し、得点王になった。ルイス・ファン・ハール監督は不人気だったが、リバウドが驚きを与えた。エリア外からのオーバーヘッドゴールは語り草だ。
復権を目指したフランク・ライカールト監督がチームを託したのが、ロナウジーニョだった。ロナウジーニョはサンバに体を揺らす自然さでプレーし、ラ・リーガ、CLなどあらゆるタイトルをもたらした。ルイス・エンリケ監督はリオネル・メッシ、ルイス・スアレス、ネイマールを組み合わせ、MSN時代を作った。ネイマールはトリッキーなプレーで三冠の象徴となった。
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