久保建英に過密日程の重圧 スペイン人記者が今季ここまでの貢献度を計算した (3ページ目)

  • イケル・カスターニョ・カベージョ●取材・文 text by Iker Castaño Cabello

【現在調子を落としているのは事実】

 久保は今季ここまでラ・リーガで5得点2アシストを記録し、昨季終盤のように再びサポーターを魅了している。

 グラナダ戦(5-3)での2得点およびヘタフェ戦(4-3)、ビルバオ戦(3-0)でのゴールは、勝ち点3獲得およびヨーロッパリーグ出場圏内入りに大きく貢献した。

 さらに現在絶好調のジローナ相手に開幕戦(1-1)で貴重な先制点を記録し、セルタ戦(1-1)とマジョルカ戦(1-0)でのアシストもそれぞれ勝ち点につながっている。すなわち久保は、チームが獲得している勝ち点25のうち、勝ち点14に直接絡んでいる計算となる。

 またCLで見せた、アウェーのレッドブル・ザルツブルク戦(2-0)でブライス・メンデスが決めた2点目の起点となったパスも重要な役割を果たしていた。

 弊紙『エル・ディアリオ・バスコ』では、毎試合ラ・レアルの選手に採点をつけているが、今のところ久保の評価はトップクラスであり、昨シーズンもトップ3に入っていた。

 とはいえ、今の久保はベストの状態ではないと言わざるを得ない。調子の良さが際立っていた開幕時に比べ、最近の試合ではパフォーマンスが大幅に落ちている。

 勝利したセビージャ戦(2-1)ではドリブル突破に苦労しただけでなく、何度もボールロストし、より簡単な解決策があったにもかかわらず、自ら困難な状況を作り出していた。スペースを得ても疲労によるキレの悪さでチャンスを生かせず、守備でも苦しんだ様子が感じられた。

 このようなコンディションながらも、ブライス・メンデスやアマリ・トラオレと連係して果敢に攻撃を仕掛け、際どいスルーパスを狙うなど、クオリティの片鱗を見せることもあった。しかし決定機が3度あったが、一度もゴールネットを揺らすことはできなかった。

 久保が調子を落としている主な原因はおそらく、連戦による疲労の蓄積や代表チーム参加による長距離移動によるものだろう。しかしクラブは、久保がこれまで証明してきた決定的な役割を果たせる選手に再び戻れると確信している。
(髙橋智行●翻訳 translation by Takahashi Tomoyuki)

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プロフィール

  • 高橋智行

    高橋智行 (たかはし・ともゆき)

    茨城県出身。大学卒業後、映像関連の仕事を経て2006年にスペインへ渡り、サッカーに関する記事執筆や翻訳、スポーツ紙通信員など、リーガ・エスパニョーラを中心としたメディアの仕事に携わっている。

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