検索

久保建英の同僚5人がスペイン代表で躍動 レアル・ソシエダ色濃いチームは「無敵艦隊」 (3ページ目)

  • 小宮良之●文 text by Komiya Yoshiyuki

【代表に多く選ばれるのは必然】

 現在U-17W杯に出場中のスペインU-17代表もバルサの下部組織ラ・マシアを中心に「豊作」と言われる。フル代表入りしてキプロス戦は先発で先制点を記録したラミン・ヤマルを筆頭に、17歳でバルサデビューゴールを決めたFWマルク・ギウ、ヴィッセル神戸との親善試合でタクトを振ったパウ・プリム、16歳の天才MFマルク・ベルナルなど多士済々だ。

 育成の成功で、人材が各地で溢れかえっている。それを代表は汲み取るだけで、好結果を出しつつある。極端で下手な色づけは必要ないのだ。

 ラ・レアルも下部組織スビエタは欧州屈指の育成システムを誇る。トップチームの半分が下部組織出身者でありながら欧州のトップレベルを戦っている例は他にない。育成畑にいたアルグアシル監督が指揮を執り、一貫した戦い方に久保のようなエッセンスを加え、スペクタクルを作り上げているのだ。

 その意味でラ・レアルの選手が代表に多く選ばれるのは必然で、「無敵艦隊」の基礎を形作ることになるかもしれない。

「世界王者(2010年W杯)になった時よりも、今のチームのほうが実力は上だろう」

 敗れたキプロスの監督の言葉である。11月20日、スペインはEURO予選でバジャドリーにジョージアを迎えて戦う。
 

著者プロフィール

  • 小宮良之

    小宮良之 (こみやよしゆき)

    スポーツライター。1972年生まれ、横浜出身。大学卒業後にバルセロナに渡り、スポーツライターに。語学力を駆使して五輪、W杯を現地取材後、06年に帰国。著書は20冊以上で『導かれし者』(角川文庫)、『アンチ・ドロップアウト』(集英社)など。『ラストシュート 絆を忘れない』(角川文庫)で小説家デビューし、2020年12月には『氷上のフェニックス』(角川文庫)を刊行。パリ五輪ではバレーボールを中心に取材。

フォトギャラリーを見る

3 / 3

関連記事

キーワード

このページのトップに戻る