久保建英のレアル・マドリード復帰の可能性をスペイン人記者が考察 道は開かれているがライバル多数 (2ページ目)
【レアル・マドリードとレアル・ソシエダの契約関係】
レアル・マドリードのカルロ・アンチェロッティ監督は、今年5月にサン・セバスティアン(レアル・ソシエダの本拠地)で対戦した際、久保の将来について、「今後数カ月のうちに話し合うことになると思うが、チーム内での競争が激しいため、あのレベルの選手が出場時間を見つけるのは容易ではない」と復帰が困難であることを示唆。しかしこの試合後、「とても良いプレーをやり、非常に危険な存在だった」と実力を認める発言をしていた。
一方、レアル・ソシエダのイマノル・アルグアシル監督はこの日の久保のパフォーマンスに特に驚いた様子はなく、「タケはサイドでプレーすることが多く、相手のバランスを崩すのが得意な選手で、チームメイトとの連係もいい。今さら彼の才能について話す必要などないが、彼があのようなパフォーマンスを発揮するためにはいい選手に囲まれている環境が必要であり、レアル・ソシエダにはそれがある。彼が際立つ活躍ができているのはそのためだ」と言及していた。
久保の活躍がレアル・マドリードで注目されていないわけがない。レアル・ソシエダは移籍金として600万ユーロ(約9億6000万円)を支払って5年契約を結び、契約解除金を6000万ユーロ(約96億円)に設定した。
一方、レアル・マドリードは先買権(※将来、レアル・ソシエダが他クラブから久保へのオファーを受けた場合、レアル・マドリードが同条件で優先的に買い戻せるというもの)と、レアル・ソシエダが将来、久保を他クラブに売却した場合、キャピタルゲイン(※購入価格と売却価格の差による収益)の50%を受け取る権利を2024年まで保有している。
これは何を意味しているのか?
つまり、レアル・ソシエダは他クラブから久保に対する魅力的なオファーを受けた場合、まずはレアル・マドリードに先買権を行使するかどうかの確認をしなければならない。またレアル・マドリードが獲得を希望する場合、支払額が来夏まで半額で済むことを覚えておく必要がある。とはいえまだ先の話であり、この件については何も決定していない。
両クラブの関係はMFアシエル・イジャラメンディやDFアルバロ・オドリオソラが行き来した最近の移籍を見てもわかるとおり、契約解除金として設定された金額に達したことはなく、交渉を通じて取引を成立させており、至極良好である。
しかしレアル・ソシエダに久保を売却する意思は全くない。それどころかレアル・マドリードから1500万ユーロ(約24億円)程の金額でキャピタルゲインの残り半分の権利を買い戻し、契約解除金を引き上げる可能性もあるのだ。
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