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中井卓大は試練をくぐり抜けられるか リーガ3部のクラブに移籍する意味とは (3ページ目)

  • 小宮良之●文 text by Komiya Yoshiyuki
  • photo by Mutsu Kawamori/MUTSUFOTOGRAFIA

 8月26日、3部リーグは幕を開ける。マハダオンダと同じグループでは、バルサ・アトレティク、オサスナ・プロメサス、セルタB、レアル・ソシエダBなど、有力クラブのセカンドチームも並ぶ。かつて2部時代に鈴木大輔、井手口陽介、田邉草民が所属したジムナスティック・タラゴナ、クルトゥラル・レオネサ、サバデルも割拠し、簡単な戦いはない。野心溢れる若者、ドロップアウトした元天才、伸び悩んだ中堅、老練さで生き残るベテランがしのぎを削る場だ。

 開幕戦、マハダオンダはかつて欧州を席巻したデポルティーボ・ラ・コルーニャと対戦する。デポルはかつての威光を失ったが、昨シーズンも2部昇格プレーオフを戦っている。かつてアーセナルにも所属したFWルーカス・ペレスが「憧れだった古巣を引き上げる」と、年俸を10分の1にしてプレーするなど、歴史を感じさせる。

 今シーズン、中井は試練をくぐり抜けられるのか。2025年6月までレアル・マドリードと契約はあるが、猶予はない。マハダオンダでポジションをつかむことが、次のステージに進む最低条件になるだろう。

著者プロフィール

  • 小宮良之

    小宮良之 (こみやよしゆき)

    スポーツライター。1972年生まれ、横浜出身。大学卒業後にバルセロナに渡り、スポーツライターに。語学力を駆使して五輪、W杯を現地取材後、06年に帰国。著書は20冊以上で『導かれし者』(角川文庫)、『アンチ・ドロップアウト』(集英社)など。『ラストシュート 絆を忘れない』(角川文庫)で小説家デビューし、2020年12月には『氷上のフェニックス』(角川文庫)を刊行。パリ五輪ではバレーボールを中心に取材。

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