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マンチェスター・シティ、プレミア天王山を制して事実上の逆転 最大目標のCL初制覇に向けても視界良好 (3ページ目)

  • 杉山茂樹●文 text by Sugiyama Shigeki
  • photo by AP/AFLO

【レアルより攻撃は充実している】

 前半のアディショナルタイムにデ・ブライネのFKをストーンズが頭で決め、2-0としたあとの後半9分、ハーランドとデ・ブライネのコンビが再度、火を吹いた。アーセナルMF、マルティン・ウーデゴールのパスをセンターサークル内でハーランドがカット。ドリブルで中央を大股のドリブルで前進すると、左脇を走ったデ・ブライネへのラストパスを送った。3点目の生まれた瞬間である。デ・ブライネはCBロブ・ホールディングの股間を射貫く、まさに必殺のシュートを決め、ダメ押し点とした。

 マンチェスター・シティはこの後、アーセナルに1点献上したが、後半アディショナルタイムにハーランドがゴールを決め、4-1のスコアで首位攻防戦をものにした。

 両者の勝ち点差は2に接近。マンチェスター・シティの消化試合が2試合少ないことを考えると、両者の関係は逆転したと見るのが妥当だ。

 マンチェスター・シティが逆に、1ゲームほどの差をつけリードしたとみていい。しかし同チームにとって、最もほしいタイトルはやはりCLだ。事実上の決勝戦と言われる次戦、レアル・マドリードとの準決勝で、どんなサッカーを見せるか。

「サッカーの攻撃に必要なものは左右と真ん中、計3本の攻撃のルートがバランスよく確立されていることだ」と筆者のインタビューに答えたのは、レアル・マドリード元監督のビセンテ・デル・ボスケだった。現在のマンチェスター・シティは、そうした理想型に近い状態にある。左右のバランスでいうと、左に力点が置かれたレアル・マドリードより攻撃は充実している。

 終盤を迎え、マンチェスター・シティの脚色のよさが際立つ欧州の2022-23シーズン。最後に笑うチームはどこなのか、目を凝らしたい。
 

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著者プロフィール

  • 杉山茂樹

    杉山茂樹 (すぎやましげき)

    スポーツライター。静岡県出身。得意分野はサッカーでW杯取材は2022年カタール大会で11回連続。五輪も夏冬併せ9度取材。著書に『ドーハ以後』(文藝春秋)、『4-2-3-1』『バルサ対マンU』(光文社)、『3-4-3』(集英社)、『日本サッカー偏差値52』(じっぴコンパクト新書)、『「負け」に向き合う勇気』(星海社新書)、『監督図鑑』(廣済堂出版)、『36.4%のゴールはサイドから生まれる』(実業之日本社)など多数。

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