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南野拓実はなぜモナコで出場機会を失ったのか 移籍金22億円に対してフランスで厳しい評価 (3ページ目)

  • 中山淳●取材・文 text by Nakayama Atsushi
  • photo by Getty Images

【南野のライバルは5人】

 現在そのポジションには、前述のベン・セギル、元ドイツ代表フォラント、そして南野の3人。1トップ(または2トップの一角)には、目下リーグ17得点でチーム内得点王の主将ベン・イェデル、同じく12得点を記録するスイス代表ブレール・エンボロ(現在負傷離脱中)、ここまでリーグ戦2得点のマイロン・ボアドゥと、こちらにも3人がいる。

 つまり、前線中央ふたつのポジションに、計6人がひしめき合う状況だ。

 ただし、出場機会が減ったとはいえ、指揮官がいろいろ試したなかで南野の適性を「トップ下」と判断したことについては、ポジティブに受け止めるべきだろう。

 たとえば、第22節(2月5日)のアウェーでのクレルモン戦。

 4-2-3-1のトップ下で先発出場した南野は、前半44分、中盤で自ら奪ったボールをドリブルで運んだあと、左サイドのゴロヴィンに展開。受けたゴロヴィンのクロスをエンボロがフィニッシュするという、美しいカウンターアタックの起点となるなど、ベンチに下がる85分までシーズンベストのパフォーマンスを披露した。

「"タキ"はすばらしいトレーニングをすごして準備もできていた。私はそういう選手にチャンスを与えているが、残念ながら全員にギフトを与えられない現実がある」

 その試合後の会見でそう述べたクレマン監督は、「前線の軸は誰か?」と聞かれると「そういう考え方はしていない。自分自身に私はオプションを持っているんだと言い聞かせている。ただ、実際のところ、これからも11人を選ぶのはかなり難しい作業になるだろう」と話している。

 その後、ヨーロッパリーグ敗退によって試合数が減少したことで、クレマン監督の悩みが増大。そのうえ、過去2シーズンにわたってベン・イェデルのベストパートナーだったフォラントが今シーズン5度目の負傷から復帰を果たし、ベン・セギルも急成長中とあれば、なかなか南野に出番は回ってこない。

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