バルセロナ対レアル・マドリードの注目ポイント 前回のクラシコはバルサが守り倒して勝利 勝てばリーガ優勝ほぼ確実の一戦でどう出るか (3ページ目)

  • 高橋智行●文 text by Takahashi Tomoyuki
  • photo by Getty Images

【バルセロナは守り倒すのか】

 両チームがこのような状況にあるなか、現地では今回、バルセロナの戦い方が注目されている。なぜなら前回のクラシコはバルセロナらしくないプレーで勝利したためだ。サンティアゴ・ベルナベウで行なわれた国王杯準決勝第1戦では特に、クラブ史上最低となるボール支配率35.3%を記録したことをスペインメディアに指摘されていた。そのため今回、シャビ監督がカンプ・ノウのサポーターを前にして、再び自分たちのアイデンティティを捨て、結果のみを求めて守備的な戦いを展開するのかに注目が集まる。

 バルセロナとレアル・マドリードの間には現在、勝ち点9もの差があるが、100年近いリーガの長い歴史のなか、第25節終了後にこの勝ち点差を覆したチームは存在しない。今回の対戦でバルセロナが勝利した場合、勝ち点差が12に開き、まだ12節残るものの4季ぶりの優勝をほぼ手中に収めることになるだろう。

 一方、過去に前例のない逆転劇を目指すレアル・マドリードが勝利した場合、勝ち点差を6に詰め、今後に向けて非常に厳しいながらも可能性を残すことになる。さらに最終的に勝ち点差で並んだ場合、直接対決2試合の結果により順位で上に行けるアドバンテージを手にすることができる。

 今回はピッチ外の雑音が非常に大きいなかで迎えるクラシコとなるが、いつもどおりスペクタクルなゲームとなることを期待したい。

プロフィール

  • 高橋智行

    高橋智行 (たかはし・ともゆき)

    茨城県出身。大学卒業後、映像関連の仕事を経て2006年にスペインへ渡り、サッカーに関する記事執筆や翻訳、スポーツ紙通信員など、リーガ・エスパニョーラを中心としたメディアの仕事に携わっている。

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