プレミアリーグ3位のニューカッスルがリーグカップでは決勝進出。3人の見事な連係が生んだゴールシーンに注目 (2ページ目)

  • 篠 幸彦●文 text by Shino Yukihiko
  • 西村知己●イラスト illustration by Nishimura Tomoki

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右外のトリッピアーに展開。前線でアルミロンが作ったスペースにロングスタッフが入る

 ニューカッスル右ウイングの、ミゲル・アルミロンによる囮の動きが効いたシーンだった。

右外のトリッピアーに展開。前線でアルミロンが作ったスペースにロングスタッフが入り、シュート右外のトリッピアーに展開。前線でアルミロンが作ったスペースにロングスタッフが入り、シュートこの記事に関連する写真を見る ロングスタッフが右サイドへとボールを運び、トリッピアーがオーバーラップを仕掛けた時、サウサンプトンの左サイドバックのカイル・ウォーカー=ピータースはアルミロンのマークについていた。

 そこへフリーで上がってきたトリッピアーに対し、ウォーカー=ピータースはマークを捨てて対応しなければいけなかった。ここがポイントである。

 ロングスタッフがトリッピアーに展開し、ウォーカー=ピータースが対応に向かうと、フリーになったアルミロンは背後のスペースへ右斜めに動き出した。これに対してサウサンプトン左センターバックのモハメド・サリスがスライドして出ていった。

 これによってペナルティーエリア内にスペースが空くと、ロングスタッフがすかさず進入。中へ切り返したトリッピアーからパスを受け、ファーサイドネットへシュートを流し込んだ。

 アルミロンのサリスを釣り出す動きによって、サウサンプトンの5バックに穴を空け、見事に崩しきったシーンだった。

 今季リーグ3位と絶好調のニューカッスルは、サウジアラビアのオイルマネーの潤沢な資金によって大型補強をしてきた。そんななかでアカデミー出身のロングスタッフの活躍によって、カラバオカップ決勝進出をたぐり寄せた。

 エディ・ハウ監督の下で生まれ変わったニューカッスルは、1954-55シーズンのFAカップ以来となる国内タイトルを手にすることができるのか、注目である。

◆【動画】カラバオカップ準決勝2ndレグ ニューカッスルvsサウサンプトン ハイライト
(ニューカッスルの先制シーンは、0分21秒~1分5秒)

プロフィール

  • 篠 幸彦

    篠 幸彦 (しの・ゆきひこ)

    1984年、東京都生まれ。編集プロダクションを経て、実用系出版社に勤務。技術論や対談集、サッカービジネスといった多彩なスポーツ系の書籍編集を担当。2011年よりフリーランスとなり、サッカー専門誌、WEB媒体への寄稿や多数の単行本の構成を担当。著書には『長友佑都の折れないこころ』(ぱる出版)、『100問の"実戦ドリル"でサッカーiQが高まる』『高校サッカーは頭脳が9割』『弱小校のチカラを引き出す』(東邦出版)がある。

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