モロッコでも解任されたハリルホジッチに真相を直撃「裏表のある人間は大嫌いだ」。日本代表監督解任劇にも言及 (4ページ目)

  • ズドラフコ・レイチ●文 text by Zdravko Reic
  • 利根川 晶子●翻訳 translation by Tonegawa Akiko

 最終的にハリルホジッチは、双方合意という形で契約解除に応じた。契約は来年の夏までだったので、彼はそれまでの報酬150万ユーロ(約2億円)を受け取る。

 だが、ハリルホジッチが求めているのは、金ではなく尊厳である。だからこそ日本代表を不本意な形で辞めさせられた時、日本サッカー協会の田嶋幸三会長に対して慰謝料として1円を請求したのだ(後に取り下げ)。彼は当時のことを回想してこう言った。

「会長は私を解任した理由を、選手とのコミュニケーションがうまくいっていなかったからと説明したが、それは真っ赤な嘘だし、馬鹿げている。実際は何人かの選手からロシア行きのチームに入れてほしいという要請があり、その背景にはスポンサーとの利害関係があったことを、彼は知っていたはずだ」
 
 いずれにせよ、ハリルホジッチが3回にわたり、W杯にチームを導きながら解任されているのは事実である。これは決して偶然ではないだろう。彼のスパルタ的な仕事ぶり、そしてそれに反発する選手が常に一定数いるのは確かなことだ。そしてなにより、彼の強すぎるほど強い信念。自分が絶対であると信じていることが、大きな武器であるのと同時に、自身を傷つける諸刃の剣ともなるのである。

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