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モロッコでも解任されたハリルホジッチに真相を直撃「裏表のある人間は大嫌いだ」。日本代表監督解任劇にも言及 (2ページ目)

  • ズドラフコ・レイチ●文 text by Zdravko Reic
  • 利根川 晶子●翻訳 translation by Tonegawa Akiko

W杯出場を決めて和解したが...

 彼が監督に就いた当初の、チームの空気はあまりいいものではなかったとハリルホジッチは言う。それが3年間の仕事を経て、固く結ばれたチームが出来上がった。彼はそう信じている。

「今年1月のアフリカ・ネーションズカップに、私は3人の有名選手を連れていかなかった。彼らは素行に問題があり、チームの和を乱すと判断したからだ。その時は何の問題もなかった」

 3人の選手とはチェルシーのハキム・ツィエク、最近アヤックスからバイエルン・ミュンヘンに移籍したヌサイル・マズラウィ、そしてシャルケからマルセイユにレンタルされているアミーヌ・アリだ。

「チームワークがすべての成功のカギであるというのに、チームの上に君臨しようとする選手たちがいるのは信じられなかった。私は彼らの驕りを叩き、身勝手な行動を禁じた。たとえば、彼らが話し合いの場や練習に遅れてくるのを認めはしなかったし、彼らの都合で抜けることも許しはしなかった。水タバコを吸ったり、一晩中プレイステーションをして遊んだりすることも禁じた。

 彼らが自分たちの国歌をまともに歌えないのにも私は苛立ちを感じた。私は選手たちに、代表チームと自分たちの祖国にもっと全身全霊をささげてほしかった。私には私のルールがあり、私はそれがいいものであると信じている。一部の人を満足させるために、それを曲げたくも迎合したくもない。彼らは獅子身中の虫、内側からチームを食い荒らす存在だった。それに、彼らがいなくとも十分に結果が出せることを、私は証明してみせた」

 しかしこれらの選手たちの人気は絶大で、サポーターばかりかメディアまでもが素行の悪い選手たちの肩を持ち、ハリルホジッチは厳しい日々を過ごした。

「だが、W杯予選のコンゴ戦に勝利し、カタール行きを決めた時、モロッコのムハンマド6世国王から直接、笑顔で感謝の言葉をかけられ、私はこれですべてがうまくいくと確信した」

 W杯への切符を手に入れたことで衝突は解消するかのように見えた。ハリルホジッチ自身もそう感じ、また、アリやマズラウィとの関係も改善された。

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