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モロッコでも解任されたハリルホジッチに真相を直撃「裏表のある人間は大嫌いだ」。日本代表監督解任劇にも言及 (3ページ目)

  • ズドラフコ・レイチ●文 text by Zdravko Reic
  • 利根川 晶子●翻訳 translation by Tonegawa Akiko

「私は絶対的な忠誠を求めた」

 しかし、そこでトルコのアダナ・デミルスポルでプレーするユネス・ベランダが再び諍(いさか)いに火をつけた。ハリルホジッチは彼もアフリカ・ネーションズカップの代表に招集しなかった。

「たとえヤツが俺を呼んだとしても、俺は応えない。俺にとってヤツは死んだも同じだ」と、ベランダが『アルジャジーラ』のインタビューで発言すると、ハリルホジッチもそれに応酬する。

「選手とこうした話をする必要はない。なぜなら、代表に誰を呼ぶかは、私が決めることだからだ。私はチームに貢献することのできる選手を選んだ。競争は激しいのだから仕方がない」

 ハリルホジッチがパリ・サンジェルマン(PSG)を率いていた時の選手だったフランス代表ジェローム・ロタンも反ハリルホジッチキャンペーンに唱和した。

「ヴァヒドはすべてやりたい人間なんだ。ピッチでは必要不可欠な彼のアシスタントたちのことだって、心の底では信頼しちゃいない。現代の監督は優秀な心理学者でもあるべきなんだが、ハリルホジッチと彼の仕事のやり方はまだ90年代のままだ」

 ロタンがフランスのメディアにこう述べると、これにもハリルホジッチはすぐざま反論した。

「ジェローム、お願いだから勝手にクビを突っ込まず、私を放っておいてくれ。君は長いこと薬を飲んでいないんじゃないか? だからそんなたわごとを言うんだ」

 誰とは言わないが、ハリルホジッチは代表チーム内部にも彼を失墜させようとする人間がいたと信じている。誠実な顔をしながら、ハリルホジッチの言動を逐一上に報告していたのだと彼は非難する。

「私はチームの人間に絶対的な忠誠を求めていた。だからこういった裏表のある人間は大嫌いだ。二枚舌を持った蛇だよ」

 もちろん、ハリルホジッチに対して肯定的な意見も聞かれた。元モロッコ代表のキャプテン、アブデスラム・ウアドゥもそのひとりだ。

「今回起こったことは、サッカーのため、スポーツのため、そしてモロッコという国のイメージのためにも、よくないだろう。サッカー協会の会長は、完全にサポーターに踊らされている。ハリルホジッチはカタールでチームを率いるべきだった」

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