ボーフム浅野拓磨が背番号11に変更した思い。「寿人さんの存在があって、今の自分につながっている」 (3ページ目)

  • 鈴木智貴●取材・文 text by Suzuki Toshiki
  • photo by Getty Images

レジェンド佐藤寿人の背中

 では、何がどう"大きかった"のだろうか。

「セルビアでの2年間、『苦しいな』っていうのはまったくなかったですけど、もう『ここからのしあがっていくのに、チームは関係ない』っていうか、ここでやらなかったら終わっていく......周りの人たちはそう見てるんやろなっていうのは感じていました。

 結局、セルビアに行ってから日本代表に戻ったし、ドイツにも戻ったし。結果もまだまだですけど、なんか.........サッカー選手として大事なもの、綺麗ごとではできないなっていうのを感じたというか。自分の性格が、セルビアで変わったというか、変えたというか。

 今日、最後の練習試合でこうやって(2得点の)結果が出たって、以前ならある意味、ちょっと自分のなかでもナーバスになっていたけど、ここからどうなるかっていうのはまったくわからないんで。別に気にせず、調子に乗ってやりたいなと思います」

 今季は背番号も、これまでの「10」から「11」に変更した。

 もともと「11」は自身の好きな背番号。海外に活躍の場を移してからも常に身にまとってきた愛着のある数字だが、ボーフムに加入した昨夏は11が埋まっていた。

「それ以外の番号に関しては全部一緒なんですけど、選べるなら目立つ番号のほうがいい。で、10番が空いてたんで、『じゃあ10で』って」

 そして昨季終了と同時に、それまで11を背負っていたヘルベルト・ボックホルンがチームを去り、「シーズンが終わってすぐに(来季は11番をつけたいと)言いました(笑)。ほかの誰かに取られる前に言っとかんと、と思って」と熱望したことで、晴れてラッキーナンバーを手にした。

 浅野がプロキャリアを歩み出したのは、ご存じのとおりサンフレッチェ広島。そこで11を背負っていたのは、ほかでもない佐藤寿人である。浅野が自身のインスタグラムで今季の新背番号を発表した時も、敬愛する"レジェンド"からコメントが寄せられた。

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