パリ・サンジェルマンを彩ってきたスーパースターたち。王様ズラタン、ピルロの後継者、ベッカムの引退も... (4ページ目)

  • 中山淳●取材・文 text by Nakayama Atsushi
  • photo by AFLO

新銀河系軍団がついに完成

 ただ、エメリ体制2年目は国内三冠を達成したものの、CLでは再びラウンド16でレアル・マドリードに敗北。ドイツ人トーマス・トゥヘルが新監督に就任した2018--19シーズンは、シャルケ(ドイツ)からドイツ代表DF ティロ・ケーラー、バイエルン(ドイツ)からスペイン代表DFフアン・ベルナト、フリーで元イタリア代表GK ジャンルイジ・ブッフォンらを補強するにとどまり、タイトルはリーグ優勝のみに終わっている。

 そこで翌シーズンは夏の予算を9500万ユーロ(約132億円)に増額し、コスタリカ代表GK ケイラー・ナバス、セネガル代表MF イドリッサ・ゲイェ、スペイン代表MF パブロ・サラビアらに加え、ローン移籍でアルゼンチン代表FWマウロ・イカルディも加入。選手層に厚みを増すと、国内三冠を達成したほか、CLではクラブ史上初の準優勝。カタール資本になって最高成績を収めることに成功している。

 コロナ禍での開幕となった2020--21シーズンは大幅な予算削減を強いられたため、予算の多くはイカルディの買い取りに使われた。また、シーズン中にはトゥヘルからマウリシオ・ポチェッティーノに政権が交代したが、リーグ優勝をリールに譲り、CLでは準決勝でマンチェスター・シティに敗れている。

 そして"新銀河系軍団"が形成されたのが、昨夏のこと。

 急遽バルセロナ退団が決まったアルゼンチン代表FWリオネル・メッシを筆頭に、レアル・マドリードから元スペイン代表DFセルヒオ・ラモス、ミランからイタリア代表GKジャンルイジ・ドンナルンマ、リバプールからオランダ代表MFジョルジニオ・ワイナルドゥムと、いずれもワールドクラスをフリーで獲得。さらに、6650万ユーロ(約92億円)でモロッコ代表DFアクラフ・ハキミを、ローンでポルトガル代表の新星DFヌーノ・メンデスを獲得すると、ワールドサッカー史に残るスター軍団が完成するに至った。

 カタール資本になって12年目を迎える新シーズン。新指揮官にフランス人クリストフ・ガルティエを迎えたPSGは最盛期真っ只中とも言える豪華な陣容で、悲願のチャンピオンズリーグ制覇の野望に燃えている。

>>第3回につづく>>

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