セルティックの半年間で旗手怜央が感じた日本との違い。「ありとあらゆる部分が速い」「足首の周りに傷が増えた」 (4ページ目)

  • text by Harada Daisuke
  • photo by Getty Images

海外での生活は孤独との戦い

 セルティック移籍が決まった時には、家族や信頼できる人に来てもらいサポートしてもらうことも頭を過った。でも、サッカー選手として成長するだけでなく、人としても成長したいという思いから、海外でのプレーを選択したため、ひとりでトライすることが成長への近道だと判断した。

 そのため、洗濯や掃除などは自分ですべてやっている。キレイ好きなところもあるため、そうした家事は苦にならないタイプだけど、やはり生活のリズムをつかむまでには時間が必要だった。

 久しぶりに帰国して、オフを過ごすなかでは気心の知れた友人に会う機会もあった。グラスゴーにいた時も連絡は取っていたが、顔を合わせて話をするだけで、リフレッシュできた。

 セルティックには日本人選手も多くいるが、やはり海外での生活は孤独との戦いでもあった。それを知ることができたのも、この5カ月間での財産だったように思う。

 シーズンも佳境を迎えていた4月になり、ようやくオフの日には外に出掛けて、散歩をしたり、町を散策したりできるようになった。そうした心の余裕や充実も、海外でプレーしていくには必要なのだろう。

 2021-22シーズンは、開幕からセルティックの一員としてプレーできる。1シーズン通して試合に出続け、チームの勝利に貢献できれば、また成長できるだろう。何より、新シーズンは、自分が目標にしていたUEFAチャンピオンズリーグに出場することができる。

「またサッカーがしたい」

 心の底からそう思えるくらいオフを満喫して、新たなシーズンにチャレンジしたい。

旗手怜央
はたて・れお/1997年11月21日生まれ。三重県鈴鹿市出身。静岡学園高校、順天堂大学を経て、2020年に川崎フロンターレ入り。FWから中盤、サイドバックも務めるなど幅広い活躍でチームのリーグ2連覇に貢献。2021年シーズンはJリーグベストイレブンに選ばれた。またU-24日本代表として東京オリンピックにも出場。2021年12月31日にセルティックFC移籍を発表。今年1月より、活躍の場をスコットランドに移して奮闘中。3月29日のカタールW杯アジア最終予選ベトナム戦で、A代表デビューも果たした。

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