セルティックの半年間で旗手怜央が感じた日本との違い。「ありとあらゆる部分が速い」「足首の周りに傷が増えた」

  • text by Harada Daisuke
  • photo by Getty Images

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セルティックでの半年を振り返る/後編

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スコットランドのセルティックでリーグ優勝を経験した旗手怜央。この半年間で感じた、Jリーグとのプレーの違い、新たな発見、初の海外生活のことなどを明かしてくれた。

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フロンターレよりも速かったプレースピード

 振り返れば、セルティックに加入して最初のダービーマッチだった2月2日のレンジャーズ戦で2得点できたことは、チームメートに認められる意味でも、周りに認められる意味でも、そして自分が自信を得るためにもターニングポイントになった。

旗手が「球際では足ごとさらわれる」と感じたスコットランドでのプレー旗手が「球際では足ごとさらわれる」と感じたスコットランドでのプレーこの記事に関連する写真を見る セルティックが1月から無敗でリーグ優勝したこともあり、日本ではスコティッシュ・プレミアリーグはレベルが低いと見ている人もいるかもしれない。でも、実際に体感してみると違った。ときに7-0や6-0で勝利した試合もあるけど、順位的に下位にいる相手との試合は、余裕でも楽勝でもなかった。

 下位にいるチームは、セルティックと対戦する時、番狂わせを起こそうという姿勢で向かってくる。ライバルであるレンジャーズは、リーグ内でも個の能力、組織として完成度の高さに目を見張るものがある一方、下位のチームは下位のチームで守備ブロックを作り、カウンターを狙ってくるなど、彼らなりの勝ち方を模索してくる。

 リーグ王者として戦っていたフロンターレ時代にも、相手のそうした覇気を感じていたけど、セルティックでプレーしている今も、対戦相手には同じようなモチベーションを感じていた。そのため、大勝した試合も、快勝できた試合も、自分たちがやるべきことを完遂した結果によるところが大きかった。

 サッカーに正解はないように、セルティックが目指しているスタイルもサッカーで、フロンターレで体現していたスタイルもサッカーだと感じている。

 プロになってからはこの2チームでしかプレーした経験がないため、どうしても比較対象にしてしまうけど、セルティックのプレースピードは、フロンターレよりも速かった。ゴールに向かっていくスピード、守備に戻るスピード、ボールを奪いに行くスピード......ありとあらゆる部分が、日本のピッチで体感していた時よりも"速い"と感じられた。

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