日本代表にとってはニュージーランドよりくみしやすい。W杯第2戦の相手コスタリカの実力 (3ページ目)

  • リカルド・セティオン●文 text by Ricardo Setyon
  • 利根川晶子●翻訳 translation by Tonegawa Akiko

スペイン、ドイツの反応は?

 国民のほとんどがテレビにかじりつき、勝利後は国をあげてのお祭りとなった。仕事に戻る者はいなかっただろう。「最後の最後まで」不安だっただけに、喜びが爆発したのだ。首都サンホセの広場には旗を持った人々が集まり、大合唱がいつまでも響いていた。カタールまではるばる応援に行ったサポーターも1500人ほどいたという。

 ドイツ、スペインと同組となり、日本は「死のグループ」を引き当てたとされるが、今回、そこにコスタリカがやってきたことで、W杯の女神はちょっとだけ日本に微笑んだように見える。日本はもうグループ最弱のチームではない。

 この試合を見る限り、コスタリカがW杯で目覚ましいプレーをするのは難しいのではないか。実際、スペインでは「これはプレゼントだ」と報じられ、ネーションズリーグでイタリアに5-2で勝利したドイツでは「コスタリカ戦は息抜きとなる」とまで言われている。

「日本にとってニュージーランドとコスタリカのどちらがよかったのか」という問いには、このプレーオフを見る限り、私はコスタリカと答える。

 ニュージーランドに勝ったものの、コスタリカは決して強くはなかった。内容では負けていた。加えて、ニュージーランドはフィジカルが強いが、コスタリカの選手は小柄で、体格は日本人とあまり変わりはない。サッカーの技で勝負することができる。また、地理的にもニュージーランドは日本のサッカーをよく知っているだろうが、コスタリカは日本に対する知識があまりない。

 日本が先日のパラグアイ戦で見せたようなスピーディーな攻めのサッカーを見せれば、コスタリカに勝つのはそう難しくはないはずだ。初戦でドイツにどうにか引き分けて、続くコスタリカ戦で大量得点をすれば、ドイツ対スペインの結果いかんでは、決勝トーナメントに進める可能性も出てくるのではないだろうか。

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