日本代表にとってはニュージーランドよりくみしやすい。W杯第2戦の相手コスタリカの実力

  • リカルド・セティオン●文 text by Ricardo Setyon
  • 利根川晶子●翻訳 translation by Tonegawa Akiko

 カタールW杯行きの最後の切符をコスタリカが手に入れた。

 コスタリカにとってはこれがW杯6回目、ブラジル、ロシア、そしてカタールと3大会連続の出場となる。ただ、プレーオフまでいって出場権を手に入れたのは今回が初めてだ。なぜストレートにW杯行きを決められなかったか。その理由はニュージーランド戦のプレーからもうかがえた。

 コスタリカは北中米で常にアメリカ、メキシコに次ぐナンバー3の座を狙ってきた。しかし、最近ではカナダが力をつけてきたこともあり、コスタリカは4~5位に転落した。予選の間も苦しみながら進んできた。過去の2大会よりも、レベルが下がってきているのは確かだ。

 ニュージーランド戦も、決して勝利に値する内容だったわけではない。強くはない相手に最後まで手を焼いていた。

 かつてアーセナルにも所属していたことがあるジョエル・キャンベルが開始3分に先制ゴールを決めると、コスタリカは追いつかれる恐怖とずっと戦っていた。ニュージーランドがFWクリス・ウッドを中心にコスタリカゴールを脅かす一方、コスタリカは追加点のチャンスを作れない。ニュージーランドのボールポセッションは70%に近く、シュート数も3倍多かった。

 69分にニュージーランドのコスタ・バルバルセスが退場となったが、コスタリカはこの数的優位も生かせなかった。それどころかひとり少ないニュージーランドの猛攻を受け、GKケイロル・ナバスの好守がなければ試合の行方は分からなかった。コスタリカのプレーにはビジョンも秩序もなく、あったのは唯一、運のよさだけだった。

W杯出場を決めたコスタリカの守護神、ケイロル・ナバス photo by Reuters/AFLOW杯出場を決めたコスタリカの守護神、ケイロル・ナバス photo by Reuters/AFLOこの記事に関連する写真を見る 試合後、まるで英雄のような扱いをされたパリ・サンジェルマンのナバスは「落ち着いて、俺はゴールはしていないんだから」と苦笑している。

 もうひとり、違いを見せた選手はアンソニー・コントレラスだろう。22歳のサイドアタッカーで、スピードとキレのあるプレーをしていた。

 だが、そのほかに見るべき選手はいなかった。たとえば36歳のキャプテン、ブライアン・ルイスは、かつてイングランドのフルハムやオランダのPSV、ポルトガルのスポルティングなどでプレーしていたが、2018年にサントスに移籍してきてからは目に見えてレベルが落ち、ベンチにも入れない日が続いた後、チームを追い出されている。この日も途中から入ったが、存在を感じさせなかった。

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