レアルにNOをつきつけた選手たち。エムバペなど、それぞれが断った理由とは (3ページ目)
メッシの存在でスアレスはバルサに
「彼らのもとでプレーするのはすばらしい経験だったろう。でも私はリバプールとの関係を決裂するつもりはなかった」
引退後、ジェラードは親友ジェイミー・ギャラガーのポッドキャストでそう語っている。
また彼には"レアルに誘われたら現チームとケンカ別れしてでも移籍して来るのが当然"というレアルの尊大な態度も気に入らなかったようだ。
「自分にとってはリバプールでプレーすることが大事だった。後悔はしていない」
2006年、イタリアでは審判買収などの八百長事件、カルチョポリが発覚。ユベントスはセリエBへ降格させられた。この時のユベントスには、その直前のドイツW杯で活躍した選手が在籍しており、彼らのもとには多くの強豪からのオファーが寄せられた。もちろん、レアルもこのチャンスを静観することはない。ファビオ・カンナヴァーロ、エメルソン、ジャンルイジ・ブッフォンとダビド・トレゼゲにオファーを持ちかけた。
ユベントスは選手たちの意思を尊重するという形をとった。彼らのもとには当時のレアルの監督ファビオ・カペッロから直接の誘いも来たという。その結果、カンナヴァーロとエメルソンは新天地を求めスペインに渡り、ブッフォンとトレゼゲはユベントスに残った。彼らは苦境に立つチームを見捨てることはできなかった。またブッフォンは、レアルのGKイケル・カシージャスの存在もオファーを断る原因だったという。
アトレティコ・マドリードのゴールゲッター、ルイス・スアレスは、2014年にリバプールを後にするとき、レアルから巨額のオファーを受けていた。しかしレアルを蹴って、ライバルのバルセロナに移籍したのはリオネル・メッシの存在が大きかった。スアレスはメッシとはU-17の頃からの友人で、メッシに「バルセロナに来て一緒にプレーしなければダメだ」と説得されたという。それは友情のなせる業でもあり、またメッシにとっては、傍らにスアレスのような選手が必要だったのだ。
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