レアルが見せた歴代ナンバー1級の鬼気迫るサッカー。CL2戦はともに逆転の可能性あり (3ページ目)

  • 杉山茂樹●文 text by Sugiyama Shigeki
  • photo by Getty Image

第2戦もハイレベルな好試合になること必至

 レアル・マドリードは目を見張るばかりのしぶとさだった。ここまで鬼気迫るサッカーを見た記憶はない。過去13度欧州一に輝いている歴史を眺めても、である。筆者が実際に優勝するシーンを直に見たのは13回中7回にすぎないが、2-0にされてからのサッカーは、歴代ナンバーワンと言いたくなる出色の出来ばえだった。2-0から1点差に詰め寄るカリム・ベンゼマのシュートなどは、ゲルマン魂が旺盛だった頃のドイツを彷彿とさせる気骨溢れるプレーに映った。

 シティもそれに釣られるように実力を発揮。ジョゼップ・グアルディオラのチームらしいパスワークをベースにした展開サッカーで対抗した。だが、後半8分、フィル・フォーデンが3点目を決めても、ダメ押しゴールにはならなかった。その2分後、ヴィニシウス・ジュニオールが自慢のスピードを活かし、左のライン際を突破。そこから内に進路を変えると、あっという間にシティGKエデルソンと1対1になっていた。

 3-2とするその一撃はまさに圧巻だった。キリアン・エムバペ(パリ・サンジェルマン)の可能性をも上回る、欧州全土に轟くようなスーパーゴールだった。

 このシティ対レアル・マドリード戦は、サッカーの魅力のマックス値を更新するような試合だった。第2戦への期待は「第1戦で味わった感激をもう一度」になる。ハイレベルな好ゲームになること必至。見どころはいろいろあるが、あれこれ考えず、無の境地でサッカー観戦ならぬ、サッカー鑑賞に没頭したい。

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