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シャビ監督就任でバルサはこうなる。超攻撃的3-4-3採用の可能性は? (2ページ目)

  • 小宮良之●文 text by Komiya Yoshiyuki
  • photo by Mutsu Kawamori/MUTSUFOTOGRAFIA

 クーマンは「今のバルサは戦力的に限界がある。チャンピオンズリーグ優勝など奇跡」と吐き捨てたが、バルサにはボールゲームを実現するだけの人材が十分にいる。下部組織ラ・マシアの育成は健在で、MFガビ、ニコ・ゴンサレス、FWアンス・ファティという3人の10代選手はワールドクラスにたどり着けるポテンシャルの持ち主だ。

 シャビはラ・マシア育ちだけに、誰よりも才能の用い方を心得ている。

 アル・サッドでは4-3-3、4-2-3-1を用いただけでなく、3-4-3の超攻撃的システムを採用していた。中盤4人がダイヤモンド型で密集し、ポゼッションで優位を保ち、ボールを失わない。特筆すべきはウィングバックを使わない点で、前線が高い位置まで押し込み、サイドから切り崩し、無理ならサイドを変え、攻撃し続ける。裏返されたら一発で失点することもあるし、受け身に回った時の弱さはあるが、それは織り込み済みの"攻撃こそ防御なり"だ。

 試しに現在のバルサに3-4-3を当てはめると、以下のようにリスクの高い布陣となる。
 
FW ファティ、メンフィス・デパイ、ウスマン・デンベレ
MF ガビ、ペドリ、ニコ、セルヒオ・ブスケッツ(フレンキー・デ・ヨング)
DF ジョルディ・アルバ、ロナルド・アラウホ(ジェラール・ピケ)、エリック・ガルシア
GK マルク=アンドレ・テア・シュテーゲン

 4バックにして、右サイドバックにはオスカル・ミンゲサやセルジ・ロベルトをデンベレの代わりに使い、伝統的な4-3-3にするというのが順当だろう。ただ、それはクーマンやセルジも採用している。

「フォーメーション自体は数字の羅列」

 シャビはそう言う。いずれにせよ攻撃色が強い戦いにはなるだろう。そして、例えばピケはスピードに不安を抱え、高いラインを保つには判断を迫られる。そこで、とにかくボールを持てて、失わず、高い位置で攻撃し、奪い返せる。そのサイクルを繰り返せる選手が選ばれるはずだ。

 ひとつの焦点になる選手は、リキ・プッチだろう。

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