2021.11.15

エムバペもイチオシする有望株が続々。育成大国フランスが生んだ「金の卵」5選

  • 中山淳●取材・文 text by Nakayama Atsushi
  • photo by AFLO

 世界に先駆けて選手の育成システムを体系化し、50年以上にわたってモデルチェンジを繰り返してきた「育成大国」フランス。その成果は実績として広く認知され、近年はヨーロッパ随一の選手輸出国としての地位を不動のものとする。

 たとえば、19歳になったばかりのエドゥアルド・カマヴィンガは、今夏にレンヌからレアル・マドリードに移籍して早くも高い評価を手にしている。しかし彼だけでなく、数多くのリーグ・アン出身の若手がイングランド、スペイン、イタリア、ドイツといった主要リーグに引き抜かれ、各チームで重要戦力となっていることは周知のとおりだ。

パリで生まれた17歳の神童モハメド=アリ・チョパリで生まれた17歳の神童モハメド=アリ・チョ この記事に関連する写真を見る  そして今シーズンもその傾向は変わらず、有望な若手選手が続々と台頭。各チームの中軸を担うレベルに成長を遂げた「金の卵」がいる。その筆頭が、最近フランス代表にも定着したモナコの大型ボランチ、オーレリアン・チュアメニ(21歳)だ。

 ボルドーの育成センター出身のチュアメニに転機が訪れたのは昨シーズンのこと。その将来性に目を光らせたモナコが一昨シーズンの冬に買い取ったものの、当初はチームにフィットできずにベンチを温める試合が続いていた。だが、昨夏に新スポーツダイレクターに就任したポール・ミッチェルがクロアチア人ニコ・コヴァチを新監督に招き入れたことで、チュアメニのキャリアは大きく変わった。

 素早い攻守の切り替えをベースに、ボールを奪ってから縦に速く攻めるサッカーを標榜するコヴァチ監督は、4−4−2のダブルボランチとしてチュアメニと1歳上のユスフ・フォファナの若手コンビを固定。当初は粗削りなプレーでミスも目立ったチュアメニだったが、コヴァチ監督が我慢して起用し続けたことが奏功し、次第にパフォーマンスが安定するようになった。

 とりわけ不足していた戦術眼が飛躍的に成長したことで、得意のボール奪取に加え、的確なポジショニングと奪ったあとの展開力が劇的にレベルアップ。その結果、そのシーズンのリーグ・アン年間最優秀若手選手賞を受賞するに至った。