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シャビ監督就任でバルサはこうなる。超攻撃的3-4-3採用の可能性は? (3ページ目)

  • 小宮良之●文 text by Komiya Yoshiyuki
  • photo by Mutsu Kawamori/MUTSUFOTOGRAFIA

 2018-19シーズンにトップデビューを飾り、「アンドレス・イニエスタの再来」と謳われ、スキル、ビジョンはバルサイズムの結晶と言えるが、先発に定着できていない。小柄で強度の点で劣り、クーマンにはあからさまな「戦力外通告」を受けた。途中出場したセルタ戦も、球際の弱さは深刻だった。周りの信頼も得られていないのか、ひとりだけ浮いていた。

 シャビが、自らの系譜を継ぐプッチをどう用いるのか。エルネスト・バルベルデ、キケ・セティエン、クーマン、セルジと、歴代監督が使い切れなかっただけに、その起用法は注目だ。

 もちろん、1、2試合で成果を判断することがあってはならない。

 クライフもフランク・ライカールトもジョゼップ・グアルディオラも、バルサ監督就任当初は苦労した。クライフは2シーズン、選手を大きく入れ替えながら、カップ戦優勝でクビをつなぎ、ドリームチームで栄光を作った。ライカールトの1年目はシーズン折り返し後も中位にとどまり、一時は12位まで落ちたが、2年目に飛躍した。グアルディオラも開幕戦はヌマンシアに敗れ、2戦目も引き分け、「経験不足」という的外れな批判も受けていた。

 シャビはバルサ新監督として「プレーデザイン」において正しい。選手の質や勝負の運で勝てない期間はあっても、最強チームを継承できるのは彼しかいないだろう。"戦友"リオネル・メッシの放出は痛いだろうが、後ろは振り返れない。セルタ戦でゴールを決めたファティが大腿二頭筋肉離れで5~6週間の離脱を余儀なくされるなど、ケガ人は10人以上とやりくりは苦しい。視察したバルサBからの"昇格"も考えられるかもしれない。

 11月20日、エスパニョールとのカタルーニャダービーが"シャビ・バルサ"の初陣となる。

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