堂安律の来季はどうなる? ピッチでは「リツ!」の声が増え市場価値もUP中 (2ページ目)
「ビルト」紙はまた、ブンデスリーガの複数のクラブから興味を持たれるほど堂安が成長することは想定外であり、「PSVにとっては嬉しい驚きだろう」とも書いている。PSVにしてみれば、戻って戦力として活躍してもらうということも考えられるし、ビーレフェルトが購入オプションを行使しなかった(できなかった)としても、他のクラブからの移籍金が入ることになる。選択肢が増えたというわけだ。ちなみに同紙は「今季もっとも成功した移籍10選」に、堂安の移籍を挙げている。
ビーレフェルトでは、GKシュテファン・オルテガと堂安だけがリーグ戦全31試合に出場している。そのうち30試合は先発で、途中出場は1試合のみ。それは3月初旬に監督交代が行なわれた直後でフランク・クラマー新監督の初陣、ウニオン・ベルリン戦だった。成績不振で指揮官が交代すると、それまでの主力をいったんベンチに下げて新監督の色を出すというのはよくある手段だが、クラマー監督は次の試合からあっさり堂安をレギュラーに戻している。
完全にチームの主力として活躍している堂安だが、そもそも堂安は、ビーレフェルトへの移籍を、ロジャー・シュミット監督のもとPSVではチャンスが少ないことを察したうえで、将来を見据えた成長のためだったと説明している。
「チームの"格"はPSVのほうが上だと思うし、そう思われていると思う。でもビーレフェルト移籍は遠回りに見えても、僕にとっては一番の決断。強く、うまくなるための決断でした」
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右ウィングで起用されることの多い堂安は、加入直後からドリブルからのシュートというプレーが目立った。転機は第4節バイエルン戦でのゴールだった。1-4で敗れはしたものの、ビッグクラブ相手にその日唯一のゴールを挙げたことで、一目置かれるようになった。
出場を重ねる中で、最近は「リツ!」という声がピッチ内を飛び交うことが格段に増えたように思う。「パスをよこせ」という意味の「リツ!」もあれば、「リツに出せ」という意味合いの「リツ!」もある。そんな声が試合中、ずっと響いている。パスやドリブルの回数自体は序盤戦のころとさほど変わらないが、チームメイトからの信頼が大きく変わったことが見てとれる。
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