堂安律の来季はどうなる? ピッチでは「リツ!」の声が増え市場価値もUP中
コロナ禍で、選手の直接取材ができなくなって久しい。ドイツでは、試合後のオンラインによる会見に登壇するのは、監督らクラブ幹部に限られるため、選手の試合後の声を聞くという機会がほとんどなくなってしまった。
そんななかでビーレフェルトは、活躍した場合に限って、堂安律のコメントを配布している。堂安が広報担当者の質問に答える形で、日本語と英語で数問に答えている。ビーレフェルトでこれを行なっているのは堂安だけ(ドイツ人選手がドイツメディアに対してオンラインで取材を受けることはある)。リーグ全体でもあまりないケースだ。
オランダ時代に勉強したのだろう。堂安が流暢な英語を話すことが、送られてきたオーディオファイルから伝わってくる。英語でもコメントしているということは、ドイツやオランダのメディアからも関心が寄せられている証だ。英語できちんとコメントができ、感情を伝えられる堂安は、自然と地元からも愛される存在になっている。
今季ここまでリーグ戦31試合に出場し、4ゴール2アシストの堂安律(ビーレフェルト)この記事に関連する写真を見る 堂安にドイツの複数のクラブが興味を示している――そんな記事が「ビルト」紙に掲載されたのは3月半ばのことだった。現在、PSVからのレンタル移籍で在籍しているビーレフェルトは豊富な資金力があるわけではなく、2部に落ちた場合はもちろん、1部残留でも堂安を放出せざるを得ない可能性がある。その場合、レンタル元のPSVに戻る可能性もあるが、ドイツ国内に残ってプレーすることも十分、現実的になってきた。
移籍情報専門サイト「トランスファー・マルクト」によれば、今年2月時点で堂安の市場価値は約700万ユーロ(約9億1000万円)。PSVに加入する前、フローニンゲンで活躍していた2019年6月の1000万ユーロ(約13億円)には及ばないものの、20年3月、PSVでくすぶっていた頃は630万ユーロ(約8億2000万円)だったというから、ドイツでの評価は上昇中だ。
ビーレフェルトが堂安の購入オプションを行使するとしたら、500万ユーロ(約6億5000万円)が必要になるとされる。クラブの年間予算が2500万ユーロ(約32億5000万円)と言われる小規模クラブのビーレフェルトにとって、堂安ひとりにその約5分の1を使うことは容易ではないが、「全力を尽くす」とサミル・アラビSD(スポーツディレクター)は話している。
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