バルサが陥った自滅のループ。OBから「終わり」「戦力不足」と厳しい声 (3ページ目)
「もう少しキープもできないのか。もう5分も攻められ続けて、走りっぱなしだぞ、クソったれ」
怒鳴りつけられたアントワーヌ・グリーズマンも、負けずに返した。
「落ち着けよ。叫ぶのをやめろ。俺たちだって走っているんだ」
怒号が飛び交うのは、スペインサッカーでは日常的で、特別なことではない。しかし状況の切迫さもあって、その口論はメディアに象徴的に切り取られた。
バルサは、出口の見えない迷路にいる。
「バルサのトップチームを監督として率いるのは夢だ」
シャビ・エルナンデス(アル・サッド監督)は言う。彼こそが、バルサを救える唯一無二の指揮官だろう。求められる資質をすべて備える。バルサに対する思いが深いだけでない。現役時代からピッチでバルサを体現。アンス・ファティ、リキ・プッチ、イライス・モリバ、ニコ・ゴンサレス、アルナウ・テナスなど、ラ・マシア(下部組織)組の力を引き出せるはずだが......。
今年3月に予定される会長選挙で新体制が発表され、シャビ監督誕生も噂されるが、有力会長候補が「シャビを監督ではなくGM打診」という話もある。さらにクーマン監督が2年契約で、契約解除には莫大な違約金が必要となる。どう転ぶかわからない。何よりエースのメッシはシーズン終了後、PSG移籍の可能性が高まっている。
3月3日にはスペイン国王杯のセビージャ戦、3月10日にはPSGとの第2戦が行なわれる。どちらも第1戦は劣勢だった。もし1週間で2つのタイトルを失うことになったら――。バルサは自滅のループを抜け出せるか。
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