バルサが陥った自滅のループ。OBから「終わり」「戦力不足」と厳しい声

  • 小宮良之●文 text by Komiya Yoshiyuki
  • photo by AP/AFLO

 2月21日、バルセロナは本拠地カンプノウでカディスと対戦し、終盤に追いつかれて1-1の結果に終わった。昇格組にも勝ち切れず、首位アトレティコ・マドリードとの勝ち点差は8で、リーガ・エスパニョーラ優勝は厳しくなってきた。

「果てしなく続く自滅」

 スペイン大手スポーツ紙『アス』の見出しは強烈だ。チャンピオンズリーグ(CL)決勝トーナメント1回戦の第1戦、同じく本拠地でのパリ・サンジェルマン(PSG)戦で1-4と大敗したことを揶揄していた。

 ここ数年、バルサはCLの正念場で一敗地にまみれてきた。

 2016-17シーズンにはユベントスに3-0(2試合合計、以下同様)、2017-18シーズンにはローマに3-0、2018-19シーズンにはリバプールに4-0、そして2019-20シーズンはバイエルンに2-8と惨敗しているのだ。

 PSG戦は、"たまたま"大敗したわけではない。

「バルサは老いた。サイクルの終わりだ」

 かつて、デビューしたてのリオネル・メッシとバルサでポジションを争った元フランス代表リュドヴィク・ジュリの言葉は重い。バルサは"自滅のループ"を続けるのか――。

PSG戦大敗に続き、昇格組のカディスに行き分け、うなだれるリオネル・メッシPSG戦大敗に続き、昇格組のカディスに行き分け、うなだれるリオネル・メッシ「(ロナルド・)クーマン監督が(ジェラール・)ピケを起用したことを批判する記事を読んだが、そうせざるを得ない状況があった。バルサには十分な戦力がなかったんだ。パリにはケガ人が出ても、代わるだけの選手がいた」

 レジェンドのひとり、リバウドは、PSG戦大敗の理由を簡潔に語っている。

 ジョゼップ・マリア・バルトメウ前会長は、サンドロ・ロセイ元会長に輪をかけて、バルサをいたぶる放漫経営を続けてきた。戦力として稼働していないフィリペ・コウチーニョに1億4500万ユーロ(約180億円)、ウスマン・デンベレに1億4000万ユーロ(約165億円。当初は1億500万ユーロだったが、出場数ごとのインセンティブで増えていった)の移籍金を支払い、金庫を空に。あろうことか有力な若手選手を売却し、1800万ユーロ(約23億円)で獲得したのが"毒にも薬にもならない"FWマルティン・ブライスワイトという茶番だ。

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