監督収入ランキングが示す欧州サッカーはバブル真っ只中という事実 (3ページ目)

  • 中山淳●取材・文 text by Nakayama Atsushi
  • photo by AFLO


 以降、クラブを2度のチャンピオンズリーグ準優勝とヨーロッパリーグ優勝に導いたシメオネは、名門A・マドリード完全復活の象徴として君臨。そんな最重要人物を手放すまいとしたクラブは、昨年2月にシメオネとの契約を2022年6月30日まで延長し、他クラブからのオファーを断らざるを得ないような高額年棒を提示したのである。

 近年は、選手以上に監督を重視し、限られた予算でチーム強化を図るクラブが増えているが、年間売上3億6700万ユーロ(約440億円)のA・マドリードが監督への投資を惜しまないのも納得がいく。そういう意味でも、シメオネは現代サッカーのトレンドを象徴する監督のひとりと言える。

 一方、2位に食い込んだ意外な人物は、イタリアの名門インテルを率いるアントニオ・コンテだ。しかし、推定3000万ユーロ(約36億円)の収入を得たコンテの場合、シメオネとは違って特殊な事情がある。ずばり、2019年は彼にとっての当たり年だったのだ。

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