ロナウドをアヤックス戦に間に合わせた、超リハビリとCLへの執念 (3ページ目)

  • パオロ・フォルコリン●文 text by Paolo Forcolin 利根川晶子●翻訳 translation by Tonegawa Akiko

 しかし最近、ユベントスの副会長を務めるパベル・ネドベドやアッレグリ監督は、かなり楽観的な発言をしている。中でも一番はっきりしたメッセージを読み取れたのは先日のリーグ戦直前だ。ユベントスは、伝統のライバル・ミランと対戦したが、試合前の会見でアッレグリ監督は不敵な笑みを浮かべてこう言った。

「ロナウドかい? 彼はミランと対戦したがっていてね、もう少し待ったほうがいいと説得するのが大変だったよ」

 こうしてロナウドは、ミラン戦ではスタンドにも姿を現さず(ロナウドがいなくてもユベントスは2-1で勝利した)、その間ずっと、自宅のジムでリハビリに励んでいた。今まで以上に「復帰したい」という強い気持ちを込めながら。

 それも当たり前だろう。CLはロナウドの主戦場のようなものだ。彼はすでにこの大会で5度優勝し、先日のアトレティコ・マドリード戦のハットトリックで通算122ゴールに。ちなみにハットトリックはリオネル・メッシ(バルセロナ)と並んで8度目で、こうした記録をさらに伸ばしたいと思うのは当然だ。

 ユベントスはスクデット8連覇に向けて邁進中だ。すでに2位以下を大きく引き離し、今シーズンの優勝もまず疑いないだろう。しかし、それを目指して、大枚をはたいてロナウドを獲得したわけではない。最大の目的は悲願のビッグイヤーを再び天に掲げることにある。

 ユベントスが前回このトロフィーを手にしたのは、今から23年前にまで遡る。前世紀の話だ。1996年にアレッサンドロ・デル・ピエロを擁するチームは、ローマで優勝を果たしたが、その時、決勝で倒したのがアヤックスだった。ユベントスがロナウドをなぜ必死になってアヤックス戦に間に合わせようとしたか、これでおわかりだろう。

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