CLでバルサが放つビッグクラブのオーラ。そしてメッシは燃えている (3ページ目)
倉敷 内容が良くなくても勝つのがユナイテッド。ファンたちがグローリーな時代の記憶を呼び覚ます試合だったわけですね。でも、そのリバウンドか、FAカップではウルブスに不覚をとり敗退しました(苦笑)。ベストメンバーとは言えないチームでパリに勝っておきながら、なぜ?という話です。まあ、ウルブスは大物食いなんですけどね。小澤さんは、スールシャール監督にどんな印象をお持ちですか?
小澤 可もなく不可もなくという印象です。ただ、監督としてまだまだ準備不足な印象は持っています。もちろん、古巣とはいえ、難しい状況のチームをシーズン半ばで率いたなかでのCL準々決勝進出はすばらしい功績ですが。
倉敷 スールシャールは正式にユナイテッドの監督に就任。マッシミリアーノ・アッレグリ(ユベントス)、ジネディーヌ・ジダン(レアル・マドリー)などいろいろな名前が挙がりましたが、ついにジョゼ・モウリーニョの後任が決まって、ファンはホッとしています。来季はセンターバックを中心に大型補強をするとか、ファンはすでにバルサ戦を通り越して来季を見ているようですが、どのように今季を結ぶかは大事です。プレミアでのトップ4入りとバルサ戦での印象が重要ですね。
では、今度はバルサのラウンド16を振り返りましょう。小澤さん、第2戦でリヨンに完勝したバルサの印象はいかがですか?
小澤 レアル・マドリー、アトレティコ・マドリーの第2戦でのまさかの敗退劇を見たうえでリヨンとの第2戦を迎えたバルサですので、締まった試合の入りをして前半で勝負はつけました。ここぞというところの集中力、決定力はやはり欧州の中でも抜けている印象ですし、今季は何よりメッシのパフォーマンスレベルがまた上がっています。例えば、メッシは序盤からかなりスプリントでリヨンDFラインの背後のスペースを取りにいく、守備でも局面でしっかりとプレスバックして貢献していましたので、バルサの今季のCLにかける本気度がひしひしと伝わってきました。
倉敷 中山さん、リヨンはどこに問題があったのでしょうか。
中山 戦い方としては、2-2で引き分けたグループリーグ第5節のマンチェスター・シティ戦をイメージして、ナビル・フェキルを2トップ下に配置した3-4-1-2で臨んだのだと思いますが、そもそもリヨンがカンプ・ノウでバルサに勝つのは実力的に無理がありました。もちろんバルサの先制点につながったPK判定のシーンは、実際はルイス・スアレスのほうがジェイソン・デナイヤーの足を踏んでいたので、リヨンにとって不運な判定でしたが、仮にそのPKがなかったとしても勝つのは難しかったのではないでしょうか。
58分にリュカ・トゥサールのゴールで2-1とした直後は、「もしや?」という雰囲気も漂いましたが、結局はメッシの個の力にやられた格好です。再三好セーブを見せていたGKアントニー・ロペスが脳しんとうでベンチに下がった時点で終わりました。
それにしても、試合を決めるのはやっぱりメッシですね。しかも2-1になったあともバルサには余裕がありましたし、CLの常連という風格を感じました。そこが、若いリヨンとのいちばんの違いでしょう。
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