マンCから来たスペインの新星。19歳ブラヒムはレアルを救えるか (2ページ目)

  • 小宮良之●文 text by Komiya Yoshiyuki photo by Getty Images

 ワンプレー目、自陣でイスコから受けたパスを、ブラヒムは即座に反転し、前に運ぼうとした。これに相手マーカーがたまらずファウル。FKを得ている。積極的なプレーは途切れない。逆サイドから展開したボールをフリーで受けると、エリア近くの3人が居並ぶゾーンで、果敢に仕掛けた。これは引っかけられてしまいボールを奪われた。若さが出たが、少しも動じなかった。

 そして90分にさしかかったときだ。ゴール前に運んだボールに対し、ブラヒムは中央を走り込み、シュートまで持ち込もうとしている。結局、相手の足が出て、ボールを突かれたものの、そのこぼれ球をイスコがエリア外から豪快に狙った。

 19歳のルーキーは、攻撃センスの片鱗を見せた。

 ブラヒムは、スペインの南部アンダルシアのマラガ出身である。その名前からわかるようにモロッコ系の選手。祖父の影響が強く、誰よりも家族を大事にし、クラブ入団での顔見せにも同伴したほどだ。

 7歳でマラガの選手として頭角を現し、レアル・マドリード、バルセロナだけでなく、各国のクラブからオファーが舞い込む。11歳でバルサと仮契約したが、1年で価値は急騰。35万ユーロ(約4500万円)という移籍金にバルサが尻込みし、破談になった。その後、13歳でマンチェスター・シティに移籍した。

 ブラヒムはイングランドに渡ってからも、物怖じするところはなかった。コミュニケーション能力に長け、英語も習得。プレーのリズムにも簡単に慣れ、ユース年代では敵なしの選手になった。

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