2019.01.16

モウリーニョ政権の閉塞感を払拭。
スールシャールのマンU再建が順調

  • 田嶋コウスケ●取材・文 text by Tajima Kosuke
  • photo by Getty Images

 1月13日に行なわれたトッテナム・ホットスパー戦を1−0で勝利すると、オーレ・グンナー・スールシャール監督は選手、コーチ、チームスタッフらと次々に抱擁を交わしていった。

 スールシャール監督のもとで全試合に先発しているポール・ポグバともハイタッチを交わすと、ベンチにいたすべてのチーム関係者と勝利を分かち合った。そして、45歳のノルウェー人指揮官は、選手とともにアウェーゲームに駆けつけたサポーターのもとへ挨拶に向かった。

2007年に現役を引退し、現在45歳になったスールシャール監督 その姿は、自軍の選手たちと衝突を繰り返し、孤立を深めていったジョゼ・モウリーニョ前監督とは対照的であった。暫定監督に就任してから公式戦6連勝――。スールシャールの就任を機に前政権時代に欠落していた「一体感」が名門マンチェスター・ユナイテッドに戻ってきた。

 スールシャールは言わずとしれたクラブOBで、現役時代は1998−1999シーズンにチャンピオンズリーグ、プレミアリーグ、FAカップのトレブル(3冠獲得)に貢献。今シーズン終了時までの暫定監督として就任し、アレックス・ファーガソン前監督時代を知るOBとして、「迷える名門」の再建を託された。

 そんなノルウェー人指揮官の評価すべきポイントは、やはり一体感を取り戻したことに尽きる。モウリーニョ前政権はチームとして体(てい)をなしておらず、ピッチ内外で課題が山積みだった。

 とくに目も当てられなかったのが、ピッチ外での醜態。ポルトガル人指揮官は、ポグバ、アレクシス・サンチェス、ロメル・ルカク、アントニー・マルシャル、ルーク・ショウらと代わる代わるぶつかり、その理由も「スタンド観戦中にSNSに投稿した」「練習や試合に臨む態度が悪い」など、およそ名門クラブの問題とは思えないような首を傾げるものばかりだった。シーズンが進むにつれて選手たちから覇気は消え、モウリーニョのために身を粉にして戦うように見えなくなったのは、けっして偶然ではないだろう。